藤原「今日はお前たちにはキメラアント討伐隊として働いてもらう」

1: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:18:19.18 ID:bzeTjh4C0

浜田「なんやねん、キメラアントて」

松本「あー、キメラアントね」

山崎「松本さん知ってはるんですか?」

松本「まぁ言うてもダウンタウンですからね、グルメですよ。ワインには大体キメラアントから入りますね。パルミジャーノ、ゴルゴンゾーラ、キメラアント」

田中「チーズなんすか?」

松本「そのワイン言うたらすぐチーズみたいなんがアカンわ」

遠藤「いやその並びやったらチーズでしょ」

松本「ちゃうがな。チーズちょっと行ってからキメラアントや。生ハムとキメラアントのサラダ仕立て…………な?」

遠藤「いや、『な?』て……まぁもういいですけど」

松本「マグロとアボカドのタルタル仕立て……キメラアントを添えて」

浜田「いやもうええよ、藤原、はよせえ」

松本「ンフフフフwww」










2: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:20:35.64 ID:bzeTjh4C0

田中「あ! キメラアントって、あれ違いますか? 最近東ゴルトーの辺りでバケモンがいっぱい出てるって噂の」

藤原「キメラアントっちゅーのは最近東ゴルトーの辺りで暴れとるバケモンや」

遠藤「今言いましたよそれ」

松本「ンフッwほんま台本通りやな」

藤原「なるほどな。ところでお前ら、ここがどこか分かるか?」

松本「なにが『なるほどな』やねん」

浜田「だから東ゴルトーやろ?」

藤原「正解や。でも芸人としては不正解やな。もっとボケていかんと」

浜田「フフッwあぁ、はい」

藤原「今日はこの、東ゴルトーの各地で暴れてるキメラアントを退治してもらうで」

山崎「えー! もー! そんなん絶対痛いやん!」

遠藤「だいたい僕らなんもできんでしょ」

藤原「お前たち新人ハンターの教育係の藤原や。ほんならルール説明すんで」





3: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:23:27.82 ID:bzeTjh4C0

松本「こいつほんまに台本以外のこと何もせえへんな」

藤原「ひとつ、キメラアントは特別な場合を除き、殺さなければならない」

浜田「なんやねん特別な場合て」

藤原「ふたつ、キメラアントに拘束されそうになった場合、機密保持の為、自害しなければならない。みっつ、決して笑ってはいけない。これらを破った場合、キツい罰を受けてもらう。以上や」

松本「キメラアントかなんか知らんけど、そんなもんハンターライセンス持ってるプロにやらせろや」

藤原「松本、さすがや、鋭いな、今からお前らにはハンターライセンスを配る」

松本「ンフフフwww何がさすがやねんwライセンス持っとったらええっちゅうもんちゃうぞwww」

藤原「アホの浜田も、松本みたいに気いついたらええのに、なぁ? 浜田」

浜田「…………」

藤原「ほんなら順番に浜田、松本」

田中「フフッwww」

松本「浜田のそういうのに勝て! 藤原!」

山崎「ハハハハハッ!www」





4: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:25:40.14 ID:bzeTjh4C0

藤原「全員ハンターライセンス持ったな? ほんなら今からスタートや」

浜田「えー!? 早ない?」

藤原「あ、言い忘れとったけどな、そのライセンスの裏にはお前らの顔写真も貼ってるんや。アホの浜田の為にネテロ会長が考えてくれはったんや。浜田、よかったな」

浜田「…………」

藤原「ほんなら浜田から順番に」

松本「ンフフフwww」

デデーン! 『松本 アウトー!』

松本「もーw! 返しないんやったらボケんなや!」

(バシッ!)

松本「いった!(ドォォォォンッ) ……えっ!? なにこれ!? 体からなんか出てるで!」





5: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:27:45.42 ID:bzeTjh4C0

藤原「それは念のオーラや。オーラっちゅうのは人間の誰もが持つ生体エネルギーなんや。それを効果的に使うことで、超人的な力を発揮できるんや」

田中「へー! すごいっすね!」

藤原「念、つまりオーラを扱う技術の習得はハンターには欠かせへんもんやで。今日は時間ないから、念を込めたケツバットでお前ら全員の念能力を目覚めさせてもらうで」

遠藤「ていうか松本さん、めっちゃオーラ流れ出てますけど、大丈夫ですか? 生体エネルギーなんでしょ?」

藤原「あ、そのままやったらオーラが尽きて、衰弱します」

松本「え!? あかんやん! どうすんねん!?」

藤原「オーラが体を巡ってるイメージで集中してみてくれるか」

松本「もー! なんやねん! ……えーと、こうか?(ドォォォォ…………スゥゥー……ピタ……)」

田中「すご……流れ出てたオーラが体の周りに留まってますよ」

藤原「それが纏や。オーラを一定の状態で保つ技術やから、念の習得の第一歩とも言える技術やで」

松本「ふーん、結構簡単やな」





6: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:30:11.24 ID:bzeTjh4C0

藤原「ほんなら、お前らに渡したハンターライセンスが間違ってないか、裏の顔写真で確認してくれるか?」

松本「あ、ほんまや、貼ってるわ」

浜田「普通の宣材写真やん」

遠藤「ンフハハハハwww」

デデーン! 『遠藤 アウトー!』

遠藤「ちょお!www なんで僕のだけwww」

田中「ハハハwww遠藤wwwお父さんやんwww」

デデーン! 『田中 アウトー!』

(バシッ! バシッ!)





7: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:32:25.57 ID:bzeTjh4C0

(ドォォォォンッ……スゥゥー……ピタ……)

遠藤「ふぅ……纏って、これでいいんすか?」

田中「ふぅ……最初オーラ出たときって、めっちゃ焦りますね」

藤原「ほんならついてきてくれるか」

山崎「どこいくんすか?」

藤原「今からお前らの先輩でもある、凄腕ハンターの人に挨拶にいくんや」

松本「もー! 変なゲストやめてやー!」

浜田「今回誰やろな」

(ゾロゾロ……)

藤原「ちょっと止まってくれるか。ここからバスでハンター協会臨時支部に行くで」

浜田「もー! なんでまたバスやねん!」





9: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:35:15.15 ID:bzeTjh4C0

(ブロロロロォ……)

遠藤「あ、あれちゃいますか」

松本「えー?……なにあれ」

(キィッ……)

藤原「これがハンター専用、東ゴルトー臨時支部直通バス、通称『ガースー黒光りハンターバス』やで」

松本「ンフッwそのまんまやん」

浜田「…………チッ、こいつ完全にわろてるやん。スタッフちゃんと見とけや」

田中「まぁまぁ」

松本「ま、ハンターたる者、いついかなる時も、ハントするだけじゃなく、逆にハントされることも頭に入れとかなあかんからな。俺の笑顔をハントする為には並々ならぬ努」

浜田「ええからもう、はよ乗るで」

山崎「アハハハ!」

デデーン! 『山崎 アウトー!』

山崎「えっ!?」

松本「いや、『えっ!?』ちゃうよ」

浜田「普通に笑いすぎや」

遠藤「家におるみたいな笑い方でしたね」





10: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:37:45.69 ID:bzeTjh4C0

(バシッ!)

山崎「いたっ!(ドォォォォンッ)うわぁぁぁ! 出たぁぁぁぁ!!」

浜田「うるさいなぁ! みんな出てるやろ!」

松本「こんな奴にハンターなんか務まらんやろ」

山崎「なんでなんですか! できますよぉ!(ドォォォォ……)」

藤原「ほんならみんな、バスに乗ってくれるか」

(ゾロゾロ)

遠藤「……キメラアントと戦うんって、やっぱり危ないですよね?」

浜田「まぁ、だからこうやって念の習得もしながら行ってんねんもんな」

藤原「みんな座ったな? ほんなら出発すんで」

(ブロロロロォ)





13: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:40:40.84 ID:bzeTjh4C0

浜田「お、発車したで」

山崎「…………(ドォォォォ……)」

遠藤「フハハハハハwwwちょお! 邦正さん! はよ纒してくださいよ!」

田中「衰弱しますよw」

デデーン! 『遠藤 田中 アウトー!』

(バシッ! バシッ!)

遠藤「!? いったぁ!!」

田中「っあ!!……何すか今の? さっきより痛かったっすよ!?」

藤原「今のはバットに込める念を強めたんや。痛いのが嫌やったら、お前らもオーラをケツに集中させて防御力を高めてくれるか。一箇所にオーラを集める技術は凝て言うんや」

山崎「……(ドォォォォ……)……ハァ……ハァ……」

浜田「ンフフフフwwwはよ纒せえて!」

デデーン! 『浜田 アウトー!』

松本「しんどなってるやんw」





14: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:42:51.55 ID:bzeTjh4C0

(ドォォォォンッ……スゥゥー……ピタ……)

浜田「おお……これでええんか?」

山崎「あ、僕もできましたわ」

遠藤「これで全員、纒は覚えましたね」

田中「やっぱりこのまま移動しながら、念を覚えるんすかね?」

藤原「そうや、念の基礎と応用である絶、練、凝、隠、周、円、堅、流、硬まではこのバスでの移動中に覚えてもらうで」

松本「最初っからやることめっちゃ多いやんけ」

遠藤「それ以外もあるんすか?」

藤原「念の中でも、発っちゅうのは個別の必殺技みたいなもんなんや。適性検査みたいなもんもあるから、それはバスを降りてからするわ」

浜田「チッ……ここまでやるんやったら、その発っちゅうんまでやってほしいけどな」

藤原「あ! 見てみ! あれがキメラアントやで!」

田中「……フフッw」

デデーン! 『田中 アウトー!』





15: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:45:48.93 ID:bzeTjh4C0

田中「いったぁ!! 今頭どつきましたよ!? せっかく凝でお尻ガードしてたのに!」

藤原「実戦ではどこを攻撃されるかわからへんやろ? だから練を維持する堅を使って全身を防御するんや」

遠藤「実戦の第一歩いう感じですかね?」

山崎「ていうか、キメラアント言うてましたね。バスも止まりましたし」

松本「おお、どんな奴やろな? ……て、ええ? なにあれ? アント言うて、全然蟻ちゃうやん」

田中「見た目は人みたいですよ」

山崎「でもめっちゃはよ走ってるで。なんかチーターみたいなかっこやし」

藤原「あれがキメラアントや。キメラアントの女王は食べた生き物の特徴を産まれる兵隊蟻に反映させることができるんや」

浜田「ふーん、ほんならあいつは女王がチーターと人間食べてできたってことかいな」

遠藤「えげつないっすね」





16: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:48:05.47 ID:bzeTjh4C0

藤原「キメラアントはただでさえ危ない生き物やけど、念を習得してるやつもおるから厄介なんや」

浜田「ふーん、ほんで? あいつどうすんの?」

田中「そうすよね。ほっとけませんけど、僕らのレベルじゃどうもできませんからね」

藤原「大丈夫や。キメラアントの討伐には何人かの凄腕ハンターが動いてくれてはるで」

松本「ほんなら俺らいらんやんけ」

山崎「…………」

デデーン! 『山崎 アウトー!』

山崎「えー!! 笑ってないってー!!」

浜田「山ちゃん、ちゃんと堅使いやー」

山崎「(バシッ!)いったいわー!」

田中「やっぱりオーラの量の違いがダメージになるんすね」

遠藤「あー、攻撃してくるオーラより多いオーラで守ればダメージは受けへんのか」

藤原「そういうことや。練を鍛えれば鍛えるほど、使える時間もオーラの総量も増えるんや。もうお前らめんどいから、バスにおる間はずっと練しとけ」

松本「えー! もー! ええからはよ先進もうや!」

遠藤「でも怪我せん為にはやっとかんとあきませんよ(ズォッ!)」

田中「ほんまですよ、やっときましょ(ズォッ!)」

浜田「まぁそやな(ズォッ!)ええから、お前もやれや」

松本「……チッ(ズォッ!)」

山崎「……(ピタ……)」

浜田「ンフフフフwww山ちゃんそれ纒やって!www」

デデーン! 『浜田 アウトー!』





17: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:49:12.03 ID:bzeTjh4C0

(バシッ!)

浜田「ッ! おぉ、ほんまや、あんま痛ないわ」

松本「どうでもええけど、ほんまあのチーターの蟻どうすんねん」

田中「ほんまですよね。誰がやっつけるんですか?」

藤原「あ! 見てみ! あれが特別に派遣された凄腕ハンターやで」

松本「!? ンフフフフwww」

デデーン! 『松本 遠藤 アウトー!』

遠藤「なんでマツコさんなんすかwww」

浜田「遠目で見てもパンチきいてんなぁ」

松本「何やねん毎回www一回はマツコ出さなあかんのか!?www(バシッ!)いったぁ!! 堅忘れてたー!」

田中「ていうか、マツコさん大丈夫ですか? 危ないんちゃいます?」





18: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:50:45.67 ID:bzeTjh4C0

藤原「大丈夫や。あの人も念を習得してはるプロハンターや。あのチーターの蟻にはあの人の能力が一番効果的なんや」

松本「ふーん、ほなとりあえずバスん中から見とこか」

………………

ヂートゥ「? なんだお前?」

マツコ「あんたを殺す為に派遣されたハンターよ。大人しく捕まるなら、楽に殺してあげるわ。つまんないことしたら苦しむわよ」

ヂートゥ「? ハハッ! 何言ってんだ? 捕まえられるもんならやってみろよ」

マツコ「あぁ、まぁそうね、あんたは逃げ足が速いって噂だから全力で逃げられたら困るわね」

ヂートゥ「…………あ?」

マツコ「聞こえなかった? 逃げられると困るから、お願いだから逃げないでねって言ったのよ」





19: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:52:22.70 ID:bzeTjh4C0

ヂートゥ「……なめてんのか? 俺のスピードについてこれなきゃ、お前が死ぬぜ」

マツコ「試してみる? 言っとくけど、負けたくないなら逃げた方がいいわよ」

ヂートゥ「(ダンッ!!)死ねオラァァァァァァ!!」

マツコ「…………(ズォッ!)」

(ズンッ!)

ヂートゥ「!?(ドシャァァッ) な……んだ? 重……い……立てない……あいつに……届く直前に……重くて……動けなく……グゥッ……」

マツコ「はぁ……ほんとに来てくれるとはね……ま、突っ込んで来るしか能がないから、私でも勝てるのよね」

ヂートゥ「グッ……つ……ぶれ……る……」

マツコ「私の『上からマツコ(ヘヴィ・プレス)』はね、変化系の能力で、円の応用なのよ。オーラを重力場に変化させて周囲に広げることで、入ってきたものを地に落とすのよ……って聞いてないわね」

ヂートゥ「くっ……そ……がぁぁぁぁっ……」





20: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:54:32.46 ID:bzeTjh4C0

マツコ「それじゃあね、世間知らずのアリンコさん……もう二、三回生まれ変わって出直しな」

(グシャッ)

………………

遠藤「……え? なんか……マツコさんが勝ったみたいですけど……」

浜田「こんな遠くのバスの中からやったら、どうやって勝ったかわからへんがな」

藤原「ほんま、凄腕ハンターやで、なぁ浜田?」

浜田「いやだからわからへんて」

藤原「……ほんま、凄腕やで」

松本「…………」

藤原「ほな行こか」

デデーン! 『松本 遠藤 アウトー!』

松本「いちいち変な絡み挟まんでええわwwwいった!」

(ブロロロロォ……)





22: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:56:06.70 ID:bzeTjh4C0

(キィッ……)

藤原「ここや、みんな降りてくれるか」

浜田「あー、やっと着いたんか」

遠藤「長かったっすね」

田中「まぁでもおかげで、ほんまに全員が硬まで覚えられましたね」

(ゾロゾロ……)

藤原「みんな並んでくれるか。ここがハンター協会東ゴルトー臨時支部や」

田中「えらいショボい建物ですね。ほとんどプレハブですよ」

松本「ここでまた凄腕ハンターに会う言うとったな」

遠藤「絶対また変な大御所出てきますよね」

藤原「ほんなら行こか」

(ゾロゾロ……)

藤原「ちょっと止まってくれるか。この部屋の中に今回の討伐の指揮をとってくれてはる凄腕ハンターがいてはるから、挨拶と一緒に発も習得してもらうで」

松本「今回やること多すぎんねん」

遠藤「まぁ確かにそうっすね」

藤原「ほな入ゴホッゴホッ」

デデーン! 『全員 アウトー!』

浜田「もー! なんやねん!」

松本「だからお前のミスで笑うんはセーフにしろやぁぁ!」

田中「いったぁ! 今のケツバット、硬使いましたよ!」

藤原「ほな入るで(コンコン)失礼します(ガチャ)」





23: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 10:59:08.22 ID:bzeTjh4C0

(ゾロゾロ……)

遠藤「? なんでこの部屋、 全面鏡張りなんすか? ラブホみたいですよ?」

浜田「ほんまやな……! あー、いてはるわ、向こう向いて顔隠して座って」

田中「もー、誰かわかりませんけど、大御所ってわかっててもオモロいですもんね」

藤原「ほんなら、並んでくれるか……えー、指揮官、新人ハンター5名、連れて、まいりました」

???「ありがとう……私が今回のキメラアント討伐の指揮をとっている……」

(クルッ)

高倉「高倉健です」

デデーン! 『全員 アウトー!』

遠藤「あきませんて!www」

松本「高倉健使うなやぁぁぁ!」

田中「ったぁ! ……高倉健さん出したらこの先どうするんですかね? もう上ないですよw」

浜田「ほんまやで」





24: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:01:17.61 ID:bzeTjh4C0

高倉「それでは、皆さんにはこれからキメラアントを討伐するにあたって欠かせない発、つまり必殺技を身につけてもらいます」

浜田「わぁ……ちゃんと演技してくれてはるわ」

遠藤「ていうか、よう仕事受けてくれましたね」

高倉「それは、ギャラがいいので」

デデーン! 『松本 山崎 アウトー!』

山崎「アハハハハwwwそんな仕事の受け方すんねやwww」

松本「まぁそこはねw自由にしてくれはったらええんやけどwwwンフフフフフフw」

デデーン! 『浜田 遠藤 田中 アウトー!』

浜田「ほんまやめろってお前!!」

遠藤「ちょおほんま、潰し合いはやめましょ!」

高倉「発の習得の前に、皆さんがどの系統に属しているのか調べたいと思います。水見式という方法で…………」





25: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:02:06.06 ID:bzeTjh4C0

高倉「…………これで全員の系統がわかりましたね……浜田さんは具現化系、松本さんは強化系、山崎さんは強化系、遠藤さんは操作系、田中さんは特質系」

松本「浜田のとき水ん中に出来たんって実弾やろ?」

浜田「うるさいわ! あんなもんただの金属の欠片やろ!」

遠藤「田中のとき葉っぱにカビ生えたんはビックリしましたね」

松本「まぁ不潔やもんな」

田中「…………」

デデーン! 『田中 アウトー!』

田中「…………った!!」

高倉「さて、それではここから皆さんの発の習得に入るわけですが……発、つまり念の必殺技は個人の念能力の集大成とも言える技術ですので、通常は何年もかけて作り上げるのですが、今回は時間がありません。そこで、優秀な助手を連れてきました」

田中「はぁ……また誰か来るんですかね」

高倉「それでは……入ってください」





26: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:04:02.23 ID:bzeTjh4C0

(ガチャ)

ローラ「ウフフッ☆」

デデーン! 『全員 アウトー!』

遠藤「もぉぉぉ!! ローラあかんってー!」

松本「ていうか高倉健とローラ共演さすなwww」

山崎「今回はあの犬いないんすねw」

ローラ「モカだよー☆」

高倉「彼女の念能力で、皆さんに最適な能力を占ってもらいます」

田中「ローラも念使えるんすね」

浜田「高倉さんも使えるんですか?」

高倉「ええ、私は操作系で、水を操作するという少し地味な能力です」





27: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:05:07.56 ID:bzeTjh4C0

松本「マツコもそうやけど高倉さんにローラて、芸能界に念使えるやつ多すぎるやろ」

高倉「彼女は優秀なだけでなくルックスもいいので、助手であると同時に私のカキタレでもあります」

デデーン! 『全員 アウトー!』

遠藤「ちょおwww高倉健に何言わしてるんですかwww」

松本「スタッフ頭おかしいやろぉぉぉぉぉぉ!!!」

浜田「あのwwwそれほんま言わん方がいいですよ?」

山崎「カキタレてw……あ、だからこの部屋ラブホみたいに全面鏡張りなんですか?」

高倉「ええ、彼女たっての希望で設計しました。こういうプレイは私も嫌いではないので」

デデーン! 『全員 アウトー!』

松本「言わすな言うてるやろぉぉぉ!」





30: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:06:27.02 ID:bzeTjh4C0

遠藤「ったぁ……」

ローラ「ん~☆……ねぇグラチャン? もう占ってもいいのかなぁ??」

山崎「いや、高倉健さんのことグラチャンて……」

浜田「ええから、山ちゃん、黙って」

高倉「ええ、では浜田さんから始めてください」

ローラ「オッケー☆(ズズズッ……)」

浜田「あいつ何してんねん?」

遠藤「可愛く浜田さん見てるだけですね」

松本「いや、可愛いかどうかは知らんけどやな、あれで占ってんのかいな」

高倉「彼女の能力は『天然な小生意気(ローラ・ウィンク)』……指で輪を作ってそこから片目で凝を使いものを覗くと、対象者がほしいもの得るためにどうすればいいか、をキーワードで占うことができます。
ですので、皆さん、占われている間は欲しいもの、今の場合『最適な念能力はどんなものか』を強く念じてください」

山崎「めっちゃ便利な能力ですやん」

高倉「ただ、キーワードによる占いですので、ローラ本人にも『欲しいものを手にする為に』具体的にどうすればいいのかは分かりません。
そして、占われた人は何らかの代償を支払わなければなりません。一人につき、キーワードが多ければ多いほど、大きな代償を支払うことになります」

ローラ「んん~……あ! 見えたよー☆浜田さんの能力はねー、ん~、チャカ・カーンって感じ☆」

遠藤「どういう意味ですかね?」

ローラ「わかんない☆キーワードだけだから☆ウフフッ☆」

松本「まぁチャカとか浜田にピッタリのイメージやからな」

浜田「チッ……チャカ・カーンはそのチャカのことちゃうやろ……ていうか、ほんまにこれで決まりかいな」

高倉「浜田さんは具現化系ですので、浜田さんがチャカを具現化できるかどうかというのも大きなポイントですよ。通常、具現化系の修行としては、具現化するものを決めてからのイメージ修行です」

田中「時間かかりそうすね」





31:名も無き被検体774号+:2012/10/27(土) 11:08:44.71 ID:lVSqPO3z0

ハンターと笑ってはいけないを観たくなったよw





32: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:09:21.83 ID:bzeTjh4C0

高倉「ええ、例えばチャカ、つまり銃を具現化するなら、最初は実際の銃を一日中いじくってもらいます。とにかく四六時中です。
目をつぶって触感を確認したり、何百回何千回と銃を写生したりずーっとただながめてみたり、なめてみたり、発砲音を立てたり、嗅いでみたり。銃で遊ぶ以外何もしない修行です。
しばらくしたら毎晩銃の夢を見るようになって、その時点で実際の銃をとりあげる。そうすると今度は幻覚で銃が見えてきます。さらに日が経つと幻覚の銃がリアルに感じられる。
重さも冷たさも発砲音も聞こえてきます。いつのまにか幻覚じゃなく自然と具現化した銃が出ている、という具合です」

浜田「…………(ズズズッ……)」

遠藤「早っ!」

田中「もう具現化できてますよ!」

山崎「ほんまに、ちょっと怖いですよ、その早さは」

松本「まぁ今言われたことは物心つく前からやってたもんな」

浜田「ンフwやってるかあほ!」

遠藤「水見式でコップの中に出来たんって、ほんまに実弾やったんすね」

浜田「……(チャッ)」

遠藤「ちょっとぉぉ!! こっち向けんといてくださいよぉぉ!!」

松本「チャカ扱う動きにムダなさ過ぎるわ」

高倉「決まりですね……浜田さんの能力は『鉄砲玉(チャカ・カーン)』」

松本「すごいな、ヤクザの鉄砲玉っていうのもかかってるやん」

浜田「…………」





33: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:11:28.60 ID:bzeTjh4C0

高倉「それでは次は松本さんですね」

ローラ「オッケー☆(ズズズッ……)ん~……ん? またよくわかんないんだけどぉ……MHKだって」

山崎「あ、番組やってましたね、MHK、『松本人志コント』」

松本「…………」

高倉「全っっ然おもしろくなかった番組ですね」

浜田「ンナハハハハハハハ!wwwwww」

デデーン! 『全員 アウトー!』

松本「ンフフフフwwwwww余計なお世話じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

遠藤「松本さん、高倉健さんにキレすぎですって」

ローラ「あ、キレるのもいいみたい☆」

高倉「ということは、松本さんの能力は『MHK(松本人志キレすぎ)』でいいでしょう。松本さんは頭もキレますからね」

松本「何のフォローやねん……ていうかそもそも何の能力やねんな? 強化系やろ?」

ローラ「うん☆だから頭を強化したら頭のキレが増すんじゃない? 分かんないけど☆ウフフッ☆」

松本「適当すぎるわボケ」





34: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:12:39.65 ID:bzeTjh4C0

高倉「それでは、山崎さんをお願いします」

ローラ「オッケー☆(ズズズッ……)ん~とね……ベテランなのにヘタレ☆」

松本「ンフwそんなもん占わんでも分かるわw」

デデーン! 『松本 アウトー!』

浜田「確かに山ちゃん、芸歴分からんようになるときあるもんなぁ」

高倉「それでは山崎さんの能力は『へタレの左手ベテランの右手(ゲイレキ・フェイク)』で行きましょう」

山崎「ちょっとぉー! 行きましょうってなんなんですかー!? そんな適当に決めんといてくださいよー!」

ローラ「じゃあ次は遠藤さんね☆(ズズズッ……)」

遠藤「めっちゃドキドキするわぁ」

山崎「遠藤は操作系やったなぁ」

田中「オーラで何かを操作するって、結構おもしろそうやな」





35: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:14:23.85 ID:bzeTjh4C0

遠藤「念能力には自分の趣味嗜好が大きく影響するらしいけど、俺の趣味嗜好ってなんなんやろなぁ?」

ローラ「あ、見えたよー☆ん~……サンバのリズム?」

遠藤「……いや、聞かれても。ほんで別に好きちゃうし」

高倉「『ホホホイホイ』」

遠藤「…………それは決定ですか?」

高倉「では最後は田中さん」

遠藤「おい田中、これどんどん適当になってきてんで。俺だけみんなみたいに副題みたいなん無いし」

田中「ほんまやなぁ、できればイメージいいのがいいわ」

ローラ「(ズズズッ……)あっ☆不潔☆」

デデーン! 『浜田 遠藤 田中 山崎 アウトー!』

田中「もー! なんなんすか! ちゃんと能力占ってくださいよ!」

高倉「田中さんの能力は『不潔体質(エントロピー・タイム)』でいいでしょう」

山崎「名前かっこええやん」

浜田「まぁ山ちゃんは『ゲイレキ・フェイク』やもんな」





37: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:16:23.54 ID:bzeTjh4C0

遠藤「でもほんま、浜田さんと松本さん以外どんな能力か分からないですよ」

松本「俺のも脳に凝使ったら頭がキレるとか、ほんまかどうか分からんで」

高倉「私からは以上です。それでは藤原さん、あとはお願いします」

藤原「指揮官、ありがとうございました。ほんなら行くで。ついてきてくれるか」

浜田「行くて、キメラアントの討伐かいな」

遠藤「ぶっつけ本番すぎますよね」

高倉「危機的状況に陥れば能力が開花することは珍しくないんですよ」

田中「……それって、能力がうまくハマらんかったら死ぬってことですよね」

松本「もー! 帰りたいー!」

(ガチャ……ゾロゾロ……バタンッ……)

高倉「…………彼らはうまくやるでしょうかね?」

ローラ「大丈夫だよー☆」

高倉「…………念の為、占ってもらえますか?」

ローラ「オッケー☆(ズズズッ)」





38: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:18:03.43 ID:bzeTjh4C0

(……ゾロゾロ)

松本「あいつら鏡張りの部屋でどんなプレイしてんのかな?」

遠藤「フフッwそれにしても、占いの代償って何なんですかね?」

田中「ほんまやな。キーワードの数に応じて代償が大きくなるって言ってたもんな」

山崎「キーワードひとつしか占ってもらってないから、そんな大したもんとちゃうと思うけブッ!?」

浜田「あだっ!」

松本「いった!」

遠藤「え? ぶっ!」

田中「あいた!……たた……みんな一斉にこけましたね……」

浜田「いったぁ……代償ってこれか? えらい地味やなぁ……って、うわ! 足の小指の爪剥がれとるわ!」

山崎「うわぁぁ! ほんまやぁぁ! あれ? ていうか、みんなですか?」

松本「これが代償か? 足の指の爪って、地味やけどダメージでかいぞ」

遠藤「ほんまですねぇ……幾つもキーワード占ったらどうなるんですかね?」

田中「ほんなら、手当終わったら行きましょうか……」





39: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:20:05.49 ID:bzeTjh4C0

浜田「……おし、とりあえず皆歩けるな?」

藤原「ほんなら今からキメラアントを討伐しながら、東ゴルトーの宮殿におる王を倒しに行くで」

松本「こっから歩いて行くんかいな」

浜田「ちゅーか王てめっちゃ強いんちゃうん?」

藤原「それは大丈夫や。王はネテロ会長が戦ってくれはるから、お前らはすでに討伐隊として動いてくれてはるベテランハンターと合流してくれるか。
会長が王と一対一で戦う為に、皆で王と三匹の護衛軍を分断するんや。ほんなら行くで」

松本「長台詞がんばって覚えたなぁ」

(ゾロゾロ……)

(うわぁぁぁ! ドンドンッ! パァァンッ! ひぃぃぃぃ!)

田中「ん? 何ですかね? あの騒ぎ……! うわ! 人めっちゃ死んでませんか!? 警察が出動してますよ!」

山崎「ほんまや! 何やろ、キメラアントかな?」

遠藤「あ! あれちゃいます? キメラアントて、ほらあの、めっちゃデカいザリガニみたいなん」

松本「ほんまやな、めっちゃ人殺してるやんけ。あんな奴相手にせなあかんのかいな」

(ドンッドンッドンッドンッ!!)

浜田「うわっ!! こっち撃ってきたで!(バッ!)」

松本「(バッ!)危なっ! 死んでまうわぁぁぁ!!」

山崎「何なんすかあいつ! 何かハサミの間からオーラを飛ばしてきたみたいですけど、あれも念ですか!?」





40: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:21:53.10 ID:bzeTjh4C0

松本「チッ……多分あれが放出系の能力っちゅう奴ちゃうか?」

田中「松本さん、この状況でめっちゃ落ち着いてますね」

松本「おお、試しにやってみたけど、ほんまみたいやわ」

浜田「?」

遠藤「あ! もしかして『MHK』ですか!?」

田中「ほんまや! 皆さん凝使って松本さんを見てください! 松本さんのオーラが頭に集まってますよ!」

浜田「ンフフフwwwお前ら普通に念使いこなすな!」

デデーン! 『浜田 アウトー!』

浜田「今はやめえ!!」

ブロヴーダ「何なんだあいつら……念のことは知ってるみたいだが、戦いはまるで素人だな」

山崎「そや! 浜田さん、銃使ってくださいよ!!」

浜田「おお、そやな(ズズズッ……)死ねッ!(パンパンッパンッパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!)」

ブロヴーダ「(キンッキンッ)? なんだ、ただの銃か」

松本「全然効いてへんやんけ!!」

遠藤「ていうか何気にフルオートで全弾撃ち込むってえげつないっすよ」





41: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:23:18.95 ID:bzeTjh4C0

浜田「いや、ちゅーかさ、銃でどないもできへんからったら、もう無理やんけ」

ブロヴーダ「ゴチャゴチャうるせーよ!(ドンッドンッドンッドンッ!!)」

遠藤「田中! 危ない!! よけろ!」

ブロヴーダ「へへへ、このタイミングは避けられねーよ! 死ねノッポ!」

田中「!? うわぁぁぁぁぁ!!」

(ボヒュゥゥンッ)

山崎「……え? あれ? 田中?」

浜田「おい! 田中! どこ行ったんや!?」

ブロヴーダ「? ノッポが……消えた?」

(シュゥゥゥゥン……)

田中「あー、びっくりしたぁ」

遠藤「え? また出てきた?」





42: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:25:13.83 ID:bzeTjh4C0

浜田「今のは消えたっちゅーか、田中の体が霧みたいになって、オーラの弾が通り抜けたみたいやったで。ほんで霧になった田中の体が、また集まって元に戻った……」

松本「ん? まてよ……」

山崎「何か分かったんですか?」

松本「いや、田中の能力名って『エントロピー・タイム』やろ? 田中の体が霧散して、攻撃をやり過ごしたんちゃうか? エントロピーって、散らばり具合ってやつやろ? しかも体が霧散したときは、オーラそのものみたいやったで」

遠藤「体をオーラそのものに変えるってことですか!? ほんま特質系ですね……」

浜田「田中すごいな! めっちゃ無敵やんけ!」

田中「いや、ハァハァ……ビックリしましたけど、ほんまにピンチになったら能力発動しましたね……ちょっとロギア系みたいやし」

ブロヴーダ「……フンッ! 奇抜な能力みたいだけどな、それで俺を殺せるわけじゃねーよ!!」

田中「……確かに、そうかも」

ブロヴーダ「んじゃ今度はてめえだぁぁぁ!!(ドンッドンッドンッドンッ!!)」

浜田「俺かいな!? チャカじゃ防がれへんやんけ!」





43: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:25:52.33 ID:bzeTjh4C0

松本「! そや! 浜田!オーラで具現化した弾やなくて、オーラをそのままチャカで撃ち出せ!」

浜田「お前そういうこといきなり言うなって! えーと、こうか?(ドンッドンッドンッドンッ!!)」

(ズガァァァンッ……バチバチバチッ…………バシュゥゥゥゥ……ゥゥゥン……………………)

田中「すごい……相殺してもうた」

山崎「念弾撃ち出す修行なんかしてないっすよ……しかもすごい威力でしたよ」

松本「実際のチャカを使うことでイメージしやすくなったんやろな……相性が良いもの使うと念の威力も上がるみたいなこと言うてたし」

浜田「びっくりしたぁ……ありがとう」

藤原「修行の成果が出とるな。アホの浜田もなかなかやるやんけ」

松本「ンフフフwww藤原おったんかいwww」

デデーン! 『松本 アウトー!』

松本「やめ言うねぇぇぇぇぇん!!」

ブロヴーダ「……なん……なんだよこいつら」





44: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:27:26.35 ID:bzeTjh4C0

ブロヴーダ「クソがぁぁぁ!! どいつもこいつもムカつくぜぇぇぇぇ!! (キィィィィンッ!)んじゃてめえから死ねぇぇぇぇ!! フルパワーだぁ!(ッドォォォォォォォォンッ)」

山崎「うっ……うわぁぁぁぁぁ!!」

遠藤「デカいですよ! 浜田さん! さっきみたいに念弾で撃ち落してください!」

浜田「おっしゃ!(ドンッ!……バチィィンッ)!? あかん! 弾かれてもうた! エネルギーが桁違いや!」

(ギュゥゥゥゥゥンッ!)

松本「山ちゃん!! 威力ある分スピード遅いから避けろって!!」

山崎「いやぁぁぁぁ!! こんといてぇぇぇ!!(バッ!)」

田中「!? 邦正さん! ビビるのは分かりますけど、素手じゃ防げませんて!」

ブロヴーダ「ヒャハハハハハハ!! 手でどうやって防ぐんだよ! オラァ! はらわたブチ撒けろぉぉぉ!!」

(ギュゥゥゥゥゥンッ!)

山崎「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」





45: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:28:54.51 ID:bzeTjh4C0

(ギュゥゥゥゥゥッ……バシュンッ……ドォォォォォォォォンッ)

遠藤「え?」

ブロヴーダ「ヒャハハハハハッ……て、え? なん(ズガァァァンッ!!)………………………………」

田中「……………………え? …………………………なん……ですか、今の? 邦正さん反撃したんすか? あのザリガニ、なんか、木っ端微塵ですけど」

浜田「……いや……さぁ? お前分かる?」

松本「いや、今のはさすがに……よう見えへんかったし……山ちゃんが、ザリガニの念弾を手で弾き返して、それがそのままザリガニ直撃したみたいやけど……」

遠藤「あ、僕にもそう見えました! でも……一瞬、邦正さんの手元で念弾が消えたようにも見えたんですよね……」

田中「……ま、まぁとにかく、あのキメラアントは死んでますよね?」

ブロヴーダ「…………」

浜田「山ちゃんやるやん!」

山崎「ハァハァ……え? なにが?」

デデーン! 『浜田 アウトー!』

浜田「ンフフフwww……チッ」





46: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:30:19.29 ID:bzeTjh4C0

山崎「え? 僕が倒したんですか? でも僕、ビビって両手を前に出してただけですよ?」

浜田「ん~、そやねんなぁ、山ちゃん強化系やもんなぁ。防御力の強化だけではあんな跳ね返し方できへんもんなぁ」

松本「両手……『へタレの左手ベテランの右手(ゲイレキ・フェイク)』……山ちゃん自身は強化系……六性図では強化系の両隣りは変化系と放出系……!?」

浜田「何か分かったんかいな」

松本「あ、ん~、そやなぁ……田中、さっき『エントロピー・タイム』使った時に多少オーラ消費してるやろ? ちょっとしんどいんちゃうか?」

田中「え? 何ですか? 急に。いや、まぁ、そうすね、確かに少し疲れてます」

松本「山ちゃん、右手で田中に触れながらオーラ送ったってや。多分できるから」

山崎「ほんまですか? えーと、こうですか?(ズッ)」

田中「(グンッ)え? なにこれ? 力が漲ってきましたよ?」

松本「やっぱりそうやったんやな」

浜田「何やねん、ちゃんと説明せえや」

松本「山ちゃんの能力は変化系と放出系の複合能力なんや。左手で他人のオーラを自分のオーラに変化させて吸収してまう。ほんで右手でオーラを放出して、攻撃や回復に使うんや」





47: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:32:18.33 ID:bzeTjh4C0

遠藤「それであのザリガニの念弾を使ってそのまま反撃したんすね! 邦正さんの手元で念弾が一瞬消えたのも説明できますもんね!」

浜田「なるほどなぁ、『へタレの左手ベテランの右手(ゲイレキ・フェイク)』って名前も、これやったらしっくりくるわ」

松本「ビビって他人のオーラを自分のもんにしたり、ほかの奴の為にオーラを使える兄さん的なこともできたり、ほんまにゲイレキ・フェイクやわ」

田中「ローラすごいな……」

藤原「お前らの能力もなかなか様になっとるで。ほんならこの調子で王宮に向かいながらどんどんキメラアント減らしていってくれるか」

浜田「簡単に言うなって……て、なんやあれ? 」

山崎「? あれ、なんすかね? あれもキメラアントですか?」

浜田「普通のねーちゃんに見えへんこともないけど、普通のねーちゃんはあんな尻尾ないもんな」

松本「ほんならあれもキメラアントかいな? まぁ、サソリの尻尾みたいやもんなぁ」

ザザン「ウフフ……あなた達は私の忠実な下僕になる素質があるかしら?」





48: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:34:40.12 ID:bzeTjh4C0

浜田「(ズズズッ……パンパンッパンッパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!)」

松本「ンフフフフwwwだからお前第一声のやりとりの前に全弾撃つんやめぇ!」

デデーン! 『松本 アウトー!』

松本「戦ってるときはやめぇ言うてるやろぉぉぉぉ!!」

ザザン「(キンッキンッ)ただの銃なんて効かないわよ」

田中「……やっぱり」

浜田「まぁ分かってたけど、死んだら死んだで儲けもんやから」

ザザン「儲けもん? フフッ……それはこっちのセリフよっ!!(ダンッ! ビュッ!)」

松本「(バッ!)うわっ! あぶな! 尻尾で刺そうとしたで!」

ザザン「私の『審美的転生注射(クイーン・ショット)』で刺された者は、私の下僕になるか……死よ! 下僕になれば儲けもん……死んだら死んだでいいのよ!」





49: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:35:39.04 ID:bzeTjh4C0

山崎「いややぁぁぁぁぁぁ!!」

浜田「うるさいなぁ! みんないやや!」

田中「松本さん、どうするんがいいすかね?」

松本「うーん……とりあえず遠藤、ホホホイやってみたら?」

遠藤「いや、急に何でですか? 意味わかんないっすよ」

松本「お前の『ホホホイホイ』がどんな能力か分かったら対策も変わってくるがな。ええからはよやれや」

遠藤「はぁ、ほんならしましょか(ヌギヌギ)」

ザザン「……何してるのかしら?」

遠藤「いや、だからホホホイを」

浜田「フフッwキメラアントに説明しても分からへんやろ! はよやれや!」

デデーン! 『浜田 アウトー!』

浜田「ほんまお前いらんこと言うなって! (バシッ!)イッタ! もーこんなんでオーラ無駄使いしてどうすんねん!」





50: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:36:38.60 ID:bzeTjh4C0

田中「ていうか何でちゃんと脱ぐねんな」

遠藤「いや、この方がしっくり来るねんて」

松本「まぁ念能力はそういうフィーリングが大事らしいやん。発動に条件付けた方が能力高くなるらしいしな。とりあえずいつも通りのホホホイしながら、練をしたら何か起こるやろ」

ザザン「何をしたいのかは分からないけど、黙って待ってると思うの?(ダンッ!)」

浜田「うるさい死ね!(ドンッドンッドンッ!)」

ザザン「(ズガァァンッ)くっ!」

田中「遠藤! 急げ! 浜田さんが念弾で食い止めてくれてるうちに!」

遠藤「よっしゃ!(ズォッ!)……フゥゥ………………サンバのリズムを知ってるかい? ホッホーイ♪ホホホーイ♪ホホホーイ♪ホホホイホーイ♪」

ザザン「 ……うざったいわね!(ダンッ!)」

浜田「おらァ!(ドンッドンッ!)」

ザザン「ちぃッ!(バッ!)」

遠藤「ホホホーイ♪ホホホーイ♪ホホホイホーイ♪」

松本「ンフフフフwwwどんな世界観やねんwww」

デデーン! 『松本 アウトー!』

松本「戦ってるときはやめぇぇ!」





51: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 11:37:44.20 ID:bzeTjh4C0

ザザン「その目障りな歌と踊りを……やめろってのよ!!(ダンッ!)」

浜田「死ねッ!(ドンッドンッドンッ!)」

ザザン「(ズガァァァァァンッ)クッ……ソがぁぁぁぁぁぁッ!!」

遠藤「ホホホイ♪ホホホイ♪ホホホイホーイ♪」

山崎「まだか? 何にも起こらんで」

浜田「ええから遠藤は落ち着いてやれ! 足止めはなんぼでもしたる!」

ザザン「……なめんじゃ……ないわよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!(ブチィィィィィィッ!!)」

田中「!?」

松本「自分で尻尾ちぎったで!?」

ザザン「(ビキビキ)グッ…………グォォォォォォォォォッ!」

田中「!? ……変身……?」





57: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:06:59.35 ID:bzeTjh4C0

ザザン「フゥッ……フゥッ……グフッ……グフフフフフフフフフ……」

松本「えー? もー……ザーボンさんぐらい変わってるやん」

ザザン「グフフ……さんざん撃ってくれたわね……まずはあんたからにするわ……死ねぇ!(ダンッ)」

浜田「うわ! こっち来た!(ドンッドンッドンッ!)」

ザザン「(バシッ!)効くかぁッ!!」

田中「浜田さん! 危ない!(ボヒュュゥンッ!)」

浜田「(ヒュゥウンッ)おわ! なんや! あ、田中かいな……オーラになって運んでくれたんか、ありがとう」

(ドッッッッッッッゴォォォォォォォォォォンッッ)

ザザン「チッ! 避けられたか……」

田中「あの威力……反則っすね……普通のパンチやのに、地面えぐれてますよ」





58: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:10:56.69 ID:bzeTjh4C0

山崎「ちょっと……今のあいつのスピード、ハンパないっすよ」

松本「パワーもあるし、遠藤の能力がどんなんかは分からへんけど、こら勝たれへんのちゃうか」

ザザン「んじゃ今度はお前だぁぁぁぁぁぁぁ!!!(ダンッ!)」

山崎「!? 遠藤!」

田中「危ない!!」

遠藤「ホホホイ…………ホォォォォォォイ!(ズォッ!)」

ザザン「死ねェェェェェッ!(ブンッ!)」

(スカッ)

山崎「え? あれ?」

ザザン「な……に……?」

浜田「なんや? 空振り? 遠藤よけたんか?」

松本「いや、ちゃうやろ。遠藤はその場でホホホイしてるだけやねんから」





59: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:12:49.60 ID:bzeTjh4C0

浜田「ほんなら何やねん?」

遠藤「ホホホイ♪ホホホイ♪ホホホイホーイ♪」

ザザン「オラァッ!(ブンッ! スカッ)……クソッ! また!(ブンッ! スカッ)」

山崎「なんなんや、あれ……」

田中「あいつの攻撃、全部空振りですね……遠藤は全然よけてないのに……ホホホイしてるだけやのに……」

浜田「わざと外してるようにしか見えへんで」

松本「遠藤は操作系やったよな? 敵の動きを操作してんのか? ……いや、それやったらそもそも『攻撃させへん』っちゅう操作をした方がええよな」

ザザン「ハァッ……ハァッ……クソッ! これならどうだ!(ドンッ!)」

田中「オーラを飛ばした!」





60: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:14:54.85 ID:bzeTjh4C0

(ギュゥゥゥゥゥゥゥンッ!)

浜田「何で今さらあんな放出系の攻撃するんや? パンチより弱そうやで?」

松本「……多分、遠藤の能力の正体を探っとるんや」

遠藤「ホホホイ♪ホホホイ♪ホホホイホーイ♪」

ザザン「さぁ! 見せてみろ!」

(ギュゥゥゥゥゥゥゥンッ!……スカッ)

ザザン「な!?」

浜田「なんや今の? 念弾の方が勝手に遠藤を避けていったで」

松本「んん~……分からんなぁ……」

ザザン「クソがぁぁぁぁぁぁッ! こうなりゃ他の奴からだぁぁぁぁぁ!!(ダンッ!)」

山崎「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!! こっち来たぁぁぁぁぁぁぁ!!」





61: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:16:51.71 ID:bzeTjh4C0

遠藤「ホホホイホーイ♪」

ザザン「…………? え?」

浜田「?……なんやあいつ? こっちにまっすぐ突進してきたかと思ったら、変な方向に行ったで? こっちに来ることもできへんのか?」

松本「あぁぁ~! やっと分かったわ!」

田中「? 分かったって、遠藤の能力ですか?」

山崎「え? 何なんですか?」

松本「多分な、力の流れを操作する能力なんやと思うわ。ホホホイをしてる間だけな。もしかしたらホホホイの声が届く範囲っていう制約もあるかも知らんけど、まぁそれは追い追い検証したらええわ」

田中「力の流れをコントロールするって、なにげにめちゃめちゃな能力ですね……制約を差し引いても」

浜田「まぁ確かに遠藤のホホホイはちょっと流れ無視なところあるしな」

山崎「あ、流れ無視ね、なるほど」

遠藤「ハァ……ハァ……あ、僕の能力分かったんすか?」

松本「ンフフフフフwwwお前も分かってなかったんかいwww」

デデーン! 『松本 アウトー!』





62: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:19:12.72 ID:bzeTjh4C0

遠藤「いや、なんとなく操作してる感覚はあったんすけどね。はっきり分かったんで、次からは好きなものの流れを操作できると思いますよ」

ザザン「……人を舐めくさった能力ね……確かにあんたに攻撃はできそうにないけど、それであたしをどうやって倒すのかしら?」

浜田「まぁ、確かにそうやなぁ……」

田中「あの巨体に変身してからは浜田さんのフルパワーの念弾でも、かすり傷ひとつ付いてませんもんね」

ザザン「それに、あたしの攻撃を避ける為には、その踊りと歌をやり続けなきゃいけないんでしょう? 私はあんたが疲れたところで仕留めりゃいいだけよ……どっちが有利かは分かるわよね?」

松本「そうか? 今のお前ほど倒しやすい奴もおらんぞ?」

ザザン「あ?」

松本「バカのひとつ覚えの力自慢は敵やない言うとんねん」

ザザン「…………後悔するわよ……『あの時おとなしく殺されておけば良かった』ってね」

松本「まぁ何とでも言いや、今度はこっちから仕掛けさせてもらうで」

ザザン「やってみな……待っててやるわよ……それが終わったらあんた達の最期よ」





64: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:21:37.40 ID:bzeTjh4C0

山崎「ちょお松本さん、ほんまどうするつもりですか?」

松本「まぁすぐ終わるわ。うまくいかんかったら、別の意味で俺らが終わるけどな」

浜田「お前いきなり強気になっとるけど、遠藤の能力使うんか?」

遠藤「あの……自分から言うのも、なんですけど……僕の能力は攻撃には向かないんじゃないですかね?」

山崎「そうやんなぁ! 流れの操作ではあいつの装甲は破れませんよ」

松本「だからその発想がバカのひとつ覚えや言うとんねん! 遠藤、耳貸せ……(ヒソヒソ)」

遠藤「え!? そんなんできるんすか?」

松本「だからできへんかったら俺ら全員死ぬだけやって」

遠藤「……いや、まぁ、そりゃできそうではありますけど……んじゃ、やりますか!」

ザザン「準備はできたの? この最強の体にどうやって勝つのか、見せてみな」

松本「まぁやらせてくれるみたいやし、遠藤、やってみいや」





65: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:24:13.42 ID:bzeTjh4C0

遠藤「はい!(ズォッ!)……フゥゥ………………サンバのリズムを知ってるかい? ホッホーイ♪ホホホーイ♪ホホホーイ♪ホホホイホーイ♪」

ザザン「……フンッ、どっちがバカのひとつ覚えなのよ。流れの操作なんて貧弱な能力で、この体とわたりあ」

(ドサッ)

浜田「ん?」

田中「え? あれ?」

ザザン「…………」

山崎「えっと、何してるんすかね? ぶっ倒れましたけど」

松本「うまくいったんかな?」

ザザン「…………」

遠藤「そうみたいっすね」

田中「え!? 終わったんですか?」

松本「まぁ死んだふりでも怖いからもうちょい待とうか」





66: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:27:04.78 ID:bzeTjh4C0

…………………………

田中「10分は経ちましたよ」

浜田「あいつ、全然動かへんがな」

ザザン「…………」

松本「まぁ、ほんなら倒せたんやろな」

遠藤「怖いぐらいの威力でしたね」

浜田「ちょお! どうやって勝って
ん!? 教えろや!」

松本「ホホホイで血流を操作したんや」

田中「は? 血の……流れですか?」

遠藤「うん、体中を流れてる血を全部脳に集めてん。血管がパンクして破裂したんやろな」

山崎「じゃああいつが死んだんって……」

松本「まぁ、ただの脳内出血や」

田中「た、『ただの』って……それ最強じゃないですか……血の流れてる生き物やったら絶対ききますよ」





68: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:29:23.96 ID:bzeTjh4C0

山崎「どんだけ体硬くても音は防がれへんから関係ないもんなぁ……」

松本「まぁとりあえず、遠藤の能力の制約をもっかい検証しようか」

田中「この際、全員の能力でできること検証しときませんか?」

浜田「おお、ほんまやな。これからまたどんなんが出てくるか分からへんしな」

………………………………

松本「これで全員やな、まぁほとんど分かってたことの確認やけどな。俺は頭を強化すると思考力アップ。戦闘向きちゃうなぁ」

浜田「ほんで俺は銃を具現化して、そっからは実弾だけじゃなく念弾も打てる、と」

山崎「僕は左手で他人のオーラを吸収して、右手で放出する。攻撃にも回復にも使えるみたいですね」

田中「僕は体をオーラに変える。5分って時間制限もありました。でもオーラの間は、速くはないですが、空中でも飛び回れるみたいですし、オーラのまま物も運べました」

遠藤「ほんで僕はホホホイをしてる間、声の聞こえる範囲の力の流れを操れる、と」





69: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:31:01.80 ID:bzeTjh4C0

藤原「お前らみたいなしょーもない芸人でも、念能力は使えるんや。どうや浜田。すごいやろ?」

浜田「急に出てくんなボケしばくぞ」

藤原「お前らみたいなもんでも」

浜田「ええ言うとんねん」

松本「だいたいお前、戦闘中どこおんねん?」

藤原「ほんまお前らみたいなもんでも」

デデーン! 『遠藤 アウトー!』

遠藤「今この絡み必要ですか?wwwいった!www」

田中「お仕置き隊も結構攻撃力高いっすね。遠藤念でガードしてんのに」

松本「あいつらも戦ったらええのにな」

浜田「ほんまやで…………ん? あれなんや? あの、空飛んどるやつ」





70: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:33:20.23 ID:bzeTjh4C0

遠藤「え? あ、ほんまや、なんでしょうね? トンボのような人のような」

田中「空中に浮いてますけど、あれもキメラアントですかね? 立て続けやな」

山崎「でも攻撃とかしてけえへんで。こっち見てるだけちゃうか?」

松本「……こっちの情報を集めんのが目的なんちゃうか?」

浜田「あかんやん! 念能力って、どんな能力かばれたら一気に不利になるやろ!」

遠藤「今のうちに片付けといた方がいいってことですよね? でもどうします? めっちゃ高いとこいますよ」

山崎「浜田さん! あいつ撃ってくださいよ!」

浜田「届くか? まぁ、やってみるけど(ズズズッ……)当てる自信ないで(パンパンッパンッパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!)」

松本「ンフフフwwwだから全弾撃つんやめ言うねんwww」

デデーン! 『松本 アウトー!』





72: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:35:14.39 ID:bzeTjh4C0

フラッタ「……ただの銃か……」

浜田「あかん、全然届いてないみたいや」

遠藤「念弾やったらどうすかね?」

浜田「ん~、そら念弾やったら届くかもしらんけど、実弾よりスピードないから、この距離やと避けられるで?」

田中「ほっとくしかないんすかねぇ?」

松本「……情報収集が目的やったら、早めに潰しとかんと後々困るけどなぁ」

浜田「遠藤、ホホホイで気流操作できへんの? こっちに飛ばせるんちゃうん?」

遠藤「こっからやったら、僕の声が届きませんよ」

田中「僕の能力やと空は飛べますけど、避けられるやろうし、5分で捕まえられへんかったらオーラ化が解けて落ちて死んでしまいますね」

山崎「……! そや! 浜田さん! そのチャカ、オーラをオーラのまま撃てるんですよね?」





73: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:38:09.41 ID:bzeTjh4C0

浜田「さっきから言うてるやろ! なんやねん今さら!」

松本「それやと避けられる言うてんねん!」

山崎「いや、だからね…………」

………………………………

松本「よっしゃ、準備オッケーやな、ほないこか」

浜田「死ね!(ドンッドンッドンッドンッドンッ!)」

フラッタ「? 今度は念弾か……かなり大きな念弾を四発、狙いもいいが、遅すぎる……(スッ)……!? 」

(ギュゥゥゥゥゥンッ!)

フラッタ「な!? 追尾弾!?(ビュンッ)……危なかった」

(ギュゥゥゥゥゥンッ!)

フラッタ「いつの間に追尾性能を!? それも四発同時に……操作系との複合能力か?(ビュンッビュンッ)……いくら避けても、当たるまで追い続けるか……
追尾性能はいいようだが、動きは単純だな……私の複眼には止まっているのと同じだ。しかも、所詮はただの念弾」

(ギュゥゥゥゥゥンッ!)

フラッタ「払ってしまえばそれで終わりだ!(バッ!)」

田中「(ガシッ!)捕まえた!」

フラッタ「はぁ!? な! なぜお前がこんな高度に!? しかも後ろから!?…………まさかこの四発の念弾!」





74: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:39:52.50 ID:bzeTjh4C0

田中「そうです、僕自身がオーラになって浜田さんに撃ってもらったんです……追尾性能は僕が動き回ってただけですよ。オーラの状態なら空中でも自由に飛び回れるんでね。
念弾なら払って終わりですけどね、こうやって実体化して羽根を押さえてしまえば(ガシッ)……飛べへんでしょ?」

(グラッ…………ヒュゥゥーンッ)

フラッタ「くっ! 飛べない! いや! それよりも……なぜお前は『何も無い所』から出てきたんだ! 念弾から実体に変化するならまだしも! 私は四つの念弾の動きを、この複眼で完全に捉えていたんだぞ!
体を念弾に変えていただけなら、お前が実体化してからでも、十分お前を避けられる! 少なくとも羽根のある背後など絶対に取らせない! なぜ、『何も無い背後』から!」

田中「念弾の動き、めっちゃ気になったでしょ? そういう風に動きましたから」

フラッタ「……?」

田中「『隠』ですよ。僕は体を五発の念弾に分けて浜田さんに撃ってもらってたんです。一発だけ隠で見えなくしといて、四発の念弾に注意を向けさせる。
後はそのままあなたの背後からそーっと近づいただけです。『体をオーラそのものに変えられる』ってことは、隠を使えば自分の姿を消せるってことですからね」

フラッタ「な……!」

田中「目に頼りすぎなんですよ。もうちょっと注意深かったら、発砲音が一発多かったことに気づいてたのにね。5分って時間制約があるから、浜田さんに撃ってもらわんと、この高度まで間に合いませんでしたから」

フラッタ「くっ……こんなふざけた連中に! (キィィィィンッ)」

(ヒュゥゥゥーン)

田中「そろそろ地面ですよ。僕はまたオーラに戻ってあなたの体を押さえとくんで、激突のダメージはあなただけで受けてください」

フラッタ「くっ……くっそぉぉぉぉぉ!!」

(ドォォォォォォォォォォォォォンッッ)

浜田「おぉー、すごい音したなぁ……ゴホッゴホッ……すごい土煙や……」

松本「田中が落下中に加速したんちゃうか? あいつネチっこいから」

浜田「うわっ! あのキメラアント、完全に潰れとるわ」

遠藤「まぁ、何はともあれ、邦正さん発案の作戦がうまくいきましたね!」





75: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:41:23.59 ID:bzeTjh4C0

山崎「ありがとう! まさかうまくいくとは」

浜田「お前が考えたんは、オーラになった田中を俺が撃ち出すってとこだけやろ。それやと避けられるから言うてボツになったとこで、松本が隠との併用のフェイントを思いついたんやんけ」

山崎「…………」

田中「ふぅ、やりましたね。あ、あいつは完全に死んでますよ」

遠藤「ま、まぁ! チームの勝利ということで! でも田中、オーラに
なったら体を分けられるってすごいな!」

田中「おお! この調子で行けば十分戦えるで!」

浜田「ていうか、キメラアントてあと何匹おんねんな?」

藤原「今んとこ確認されてるんはキメラアントの王と直属護衛軍3匹と、ライオンや」

山崎「ザリガニにサソリにトンボ……ほかにライオンですか? なんかほんま、聞けば聞くほどワケの分からん生き物ですね」

浜田「まぁ、やらなしゃあないんやから、行こか」

(ゾロゾロ……)





76: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:45:04.37 ID:bzeTjh4C0

(ゾロゾロ……)

遠藤「かなり建物が多くなってきましたね。もう首都・ペイジンに入ってるんすかね」

藤原「ちょっとここで止まってくれるか」

浜田「なんやねん、ここ」

遠藤「地下に続く階段がありますね、ここ入るんすか?」

藤原「討伐隊のひとりがライオンのキメラアントをこの先の地下教会に誘い込んだいう情報があるんや。ええ勉強になるから、ベテランハンターの仕事ぶりを見学させてもらうで」

松本「なんでそんなのんきやねん」

山崎「絶対痛いことなるわぁ!」

浜田「まぁ、自分の身は自分で守れるようにはなってるやろうし、怪我せんようにしとこうや」

田中「そうすね、キメラアント倒すんは、そのベテランハンターに任せときましょ」

遠藤「ライオンのキメラアントかぁ」

浜田「強いかもしらんなぁ」

(ゾロゾロ……)





77: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:48:30.46 ID:bzeTjh4C0

レオル「……名盤だ」

モラウ「同感だね……(やりづれえんだよ……趣味が合う奴とは)」

(ガチャ……ゾロゾロ)

浜田「うわっ! ほんまにライオンや!」

松本「ほんまキメラアントっちゅうんはよう分からんなぁ」

レオル「? なんだ?」

藤原「お前ら見てみぃ、あの人が今回討伐軍に参加してはる凄腕ハンターのモラウさんやで!」

松本「でっかいキセルやなぁ」

藤原「ちゃんと挨拶しときいや」

遠藤「おはようございます。よろしくお願いします」

モラウ「あー、藤原さんよ、事情はネテロ会長から聞いてるから、いいんだよ。挨拶は後にしてくれねえか? 当面はこいつを始末しなきゃならねえんだ。どっか隅っこで見ててくれねえか?」

藤原「ほんまベテランハンターは雰囲気がちゃうで」

田中「いや、隅っこ行きましょうよ」

デデーン! 『松本 アウトー!』

藤原「ほんならお前ら、危なくないように隅っこで並んでくれるか」

松本「ンフフフフフw……チッ」





78: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:50:35.44 ID:bzeTjh4C0

レオル「……まぁいい……さぁて、仕切り直しと行くか! レンタルスタート!(……ズズズッ)」

モラウ「!?(銛とサーフボード!?……あれは!)」

田中「? なんすかね、あれ? ライオンのやつ、急にサーフボード出しましたよ……銛も持ってますね……あれも念なんかな?」

レオル「雨の日限定の能力!『TUBE(イナムラ)』!」

(……………………ドドドドドドドドドドドドドッ……)

浜田「!? 今度はなんや?」

遠藤「地震ですかぁ!?」

(ドドドドドドドドドドドドドッ……………………ドッッパァァァァァァァァァァァァァァァンッッッ!)

山崎「!!! 水!?」

松本「あかん! 呑まれる!」





79: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:53:16.35 ID:bzeTjh4C0

(ザパァァァァァァァァンッ!)

松本「(バシャッ!)ぷはぁ! みんな無事か!?」

遠藤「(バシャッ!)っはぁ! な、なんとか」

浜田「あんなもん反則やろ!」

田中「あのライオンのやつ、もしかしてこの能力を使う為に、地下教会なんて密閉空間におびきよせたんすかね?」

山崎「こんなんどうせえ言うんですかぁ!?」

松本「まぁ待てって、とりあえずあのライオンもこっちの相手するつもりもないみたいやで。まぁ、俺らが生きてて、モラウさんとかいう人が死んでるわけないもんな」

浜田「とにかく、俺らはひとかたまりになっといた方がよさそうやな」

遠藤「そうっすね」





80: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:54:41.98 ID:bzeTjh4C0

モラウ「(バシャッ!)っく! ぷはぁっ!」

田中「あ! モラウさんや!」

山崎「やっぱり生きてはったかぁ、よかったぁ」

レオル「ハハハハハハハッ! どうよ! てめえのショボい煙なんざぁ俺様のビッグウェーブでひと?みよ!」

モラウ「…………てめえのじゃねえだろ…………そいつは、俺の……」

松本「?」

モラウ「俺のダチの能力だ!」

レオル「……へっ! 行くぜ!(ゴゴゴゴゴゴゴッ……)」

浜田「な! なんや!? 今度は……渦巻きかいな!」

モラウ「ちっ! これじゃあいつらも巻き添えじゃねえか!!」

山崎「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!」

松本「くっそ! そや! 田中! オーラになって俺たち乗せて宙に浮くことできるか!?」

田中「え?! で、できるかな? ん~!(ボヒュゥゥゥゥンッ……)」





81: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:55:59.01 ID:bzeTjh4C0

浜田「おわ!」

松本「お!」

山崎「わぁぁぁぁぁ!」

遠藤「え!? 浮いてますね……あ、いや、オーラになった田中の上に乗ってんのか」

モラウ「おお、すげえな、あんなことができんのか」

レオル「……まぁいい、あいつらの始末は後回しだ。まずはこのキセル野郎だ!(ビュンッ!)」

浜田「あのライオン、ボードに乗ったまま突っ込んだぞ!」

モラウ「くっ!(バッ! ツツゥー……) 」

遠藤「うわっ!切られましたよ! まぁ……深くはないみたいですね」

レオル「へへへっ、どうよ? 俺様のボードの切れ味は?」

モラウ「てめえのじゃねえって言ってるだろ! それは俺のダチ、グラチャンってハンターの能力だ!」





82: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 13:57:33.37 ID:bzeTjh4C0

松本「グラチャンて……高倉さんかいな」

浜田「そういや高倉さん、水を操る能力や言うてはったな」

遠藤「モラウさんと知り合いやったんすね、まぁベテラン同士が仲良いっちゅうのはどこの世界でもあるもんすね」

モラウ「てめえの能力はどうやら他人の能力を何らかの形で利用するもんみたいだな。その為には幾つか条件が要るんだろ?」

レオル「…………」

モラウ「まぁ、よっぽどのことをしなければ戦闘中にその条件を満たすことはないだろう……てめえがどうやってグラチャンから能力を奪ったかは知らねえが……返してもらうぜ! グラチャンの能力!」

レオル「奪ったとは人聞き悪いな……俺はちょっと借りてるだけだぜ」

山崎「他人の能力を借りる能力ってのもあるんすねぇ。念ってすごいな」

レオル「ま、お前ら全員ここで死ぬんだから、教えといてやるよ……俺の『債券発行機(レンタル・ポッド)』の発動条件!」





83: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:00:15.41 ID:bzeTjh4C0

松本「レンタルって、ほんまに借りてるんかいな」

レオル「そう言ったろ? 借りる為の条件はふたつ。まずは相手の能力名を知るか、実際に使っているところを見る。そして相手に恩を売り、『これは貸しだ』ということを相手に同意させる。これで俺は貸しと引き換えに能力を借りることができるってわけだ」

モラウ「……んなこたぁどうでもいいんだよ、お前はここで死ぬんだからな! おい! 田中さんよ! オーラのまま箱状になって4人を密閉しろ!」

田中『!?(ズズズッ……ピキィィィンッ)』

浜田「!? おお、ほんまに密閉されたみたいやな。見えへん壁と天井があるわ」

遠藤「4人宙に浮かべたままこれするって、田中の能力もすごいっすね」

モラウ「よし……それじゃあな!(スゥゥゥゥゥッ……バシャッ)」

山崎「!? 潜りましたよ?」

レオル「……何しようが無駄だ……出て来たところを銛で串刺しにしてやるぜ」





84: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:03:04.41 ID:bzeTjh4C0

(……ポコポコ)

レオル「泡! そこか!」

(……ポコポコ……ポコポコ……ポコポコ)

レオル「!? あっちからも! くっ! こっちも!?」

浜田「? どうなってんねん? いろんなとこから泡が出てきとるで」

松本「枝分かれしたパイプとか使ってるんちゃうか? 煙でそんなん作ったんやろ」

遠藤「なんでそんなんわかるんですか?」

松本「あのモラウさんとかいう人、煙を操るんやろ? あのライオンもそんなようなこと言っとったし、バカでかいキセルも持っとったし。多分オーラと煙をブレンドして色んな形にして操れるんちゃうか」

遠藤「あぁ! なるほど! 松本さんホンマに頭キレてますね!」

松本「まぁそれはええとしてさ、なんで今さらあんなことすんねやろな?」

浜田「田中に出した指示もイマイチよう分からんしな」

レオル「チィッ! ……あいつの肺活量が人並外れているとしたら……まさか! ここから泳いで逃げるつもりか!? くそっ! どうすれば……!? グッ!? ングッ!……カハッ……」





85: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:05:34.39 ID:bzeTjh4C0

浜田「なんや? あのライオン、急に苦しみ始めたで」

山崎「? ほんまですね、何なんでしょ?」

遠藤「モラウさんの攻撃かな?」

レオル「グッ……(くっ! なんだ!? 攻撃? 毒か?)」

(フッ……バシャァァァンッ!)

山崎「あれ!? ライオンが乗ってたボード消えましたよ! ライオン水の中に落ちたし!」

(バシャッバシャッ!)

レオル「(グッ……動揺してボードが……消えた……うまく……泳げな……い……)」

(バシャッ……バシャッ…………………………………………プカ……)

浜田「……おい、あのライオン、死んでもうたんちゃうか?」

遠藤「ホンマですね、どうなったんやろ?」

松本「とりあえず、田中、俺ら乗っけたまま水ん中に潜れるか?」





86: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:07:45.75 ID:bzeTjh4C0

田中『!?(ズズズッ……ザボンッ)』

山崎「お、水ん中や……!? すごい、ホンマに松本さんが言うた通りやわ。煙で作ったパイプでいろんなとこから空気送ってたんやな」

遠藤「あ! あれ、モラウさんと違いますか?」

モラウ「! (クイクイッ……スイスイ~……)」

遠藤「? 向こうに泳いでいきましたけど、ついてこいってことですかね?」

浜田「そやろなぁ……田中、このまま俺ら運べるか?」

田中『!(ズズズッ……)』

山崎「おぉ、動いた動いた! ……ていうか、藤原さんどこ行ったんでしょね?」

浜田「ほんまやな、なんか急に消えたり出てきたり」

松本「ていうか田中の能力て5分が限界なんやろ? 地上に出るまでもつんか?」





87: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:10:25.54 ID:bzeTjh4C0

田中「フゥ……いや、危なかったっすねぇ」

松本「いや、完璧アウトやろ、いきなり能力解除で地上まで泳がされて、死ぬか思たわ」

山崎「…………! っハァッ! あ、あれ?」

遠藤「あ、気ぃつきましたね、邦正さん」

浜田「まぁ全員生きとってよかったわ」

モラウ「お、あんたら無事だったか」

遠藤「あ、モラウさん、さっきはどうも」

藤原「さすがベテランハンター、モラウさんやで」

松本「ンフwお前ほんまどこおってん」

デデーン! 『松本 アウトー!』

遠藤「いや、ほんまどこおったんですか? ていうか、どうやってあっこから出たんですか?」

田中「そうやんなぁ? 藤原さんも水に呑まれたと思ってたけど」





88: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:13:52.76 ID:bzeTjh4C0

藤原「ええとこに気付いたな。なかなか鋭い勘しとるで。アホの浜田も気ぃ付いたらええのにな」

浜田「……」

デデーン! 『浜田 アウトー!』

浜田「えー!? 我慢したやん!……チッ」

モラウ「……そろそろ改めて、挨拶させてもらってもいいか?」

田中「あ! そうっすね、今日はよろしくお願いします!」

山崎「ていうか、モラウさん、あのライオンどうやって倒したんすか?」

松本「…………二酸化炭素ですか?」

モラウ「お! あれで気付いたのか?」

遠藤「? どういうことですか?」

松本「モラウさんは潜る直前にあそこの部屋中の空気をほとんど吸い尽くしたんや。そんでポコポコ出てきた泡は、ライオンを混乱させるフェイントと見せかけて、ほんまは呼気から二酸化炭素を出して部屋の二酸化炭素濃度を上げるんが目的やったんや」

モラウ「……ずいぶんとキレるねぇ」





89: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:16:24.22 ID:bzeTjh4C0

松本「田中に、俺らを密閉しろ!っちゅうたんが、決め手やな。あれがなかったら、どんだけ離れた場所におっても、おんなじ空間におったら、俺らもライオンとおんなじことになっとったもんな」

モラウ「……まいったね、全部正解だよ」

田中「すごいっすね、松本さんの『MHK』……めっちゃ頭いいじゃないですか」

松本「それはええけどさ、藤原はほんまに、なんで無事やねん」

藤原「なるほどな、ほんなら行くで」

松本「お前ほんましばくぞw」

遠藤「いや、ほんまに、藤原さんなんで無事なんですか?」

藤原「それは俺の念能力や。俺の『四次元マンション(ハイド・アンド・シーク)』は空間のある点とある点を、作り出した念空間を介して自由に行き来することができる能力やで。
あらかじめ地下に入る前に念空間の『出口』をこの辺に作っといて、地下教会で水に呑まれる直前に念空間に入って、ここの『出口』から出てきたんや」

浜田「なんやそれ」

藤原「アホの浜田にも分かるように説明したつもりやけどな」

浜田「ちゃうがな、そんなんできるんやったらお前だけ逃げんと俺らも一緒に連れ出しとけっちゅうねん」





90: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:19:30.80 ID:bzeTjh4C0

遠藤「ほんまですね、それやったら僕らも死にかけんで済みましたもんね」

藤原「ほんま、手強い敵やったで」

デデーン! 『松本 遠藤 田中 アウトー!』

浜田「チッ……こいつほんま腹立つわ」

モラウ「んじゃ、いよいよ宮殿に行こうかね」

田中「王と護衛軍て、やっぱりめっちゃ強いんですかね?」

モラウ「先日投降したキメラアントの話じゃ、護衛軍ひとりでさえ、ネテロ会長の遥か格上らしい」

山崎「えー! もーそんなん絶対勝てませんやん!」

モラウ「ま、やり方次第だよ。あんたらが呼ばれたのも単なる偶然じゃない……ローラって能力者の占いが、あんたらを選んだのさ……あんたらの能力がこの討伐には適任なんだろう」

浜田「そうなんすか?」

モラウ「ま、やり方次第だな……」

藤原「ほんなら行くで」

(ゾロゾロ……)





91: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:23:01.81 ID:bzeTjh4C0

(ゾロゾロ……ピタ)

藤原「お前らちょっと並んでくれるか」

遠藤「並んでますよ」

デデーン! 『全員 アウトー!』

松本「ンフフフフwww台本通りか! 『※このセリフは並んでない時のみ』て書いとかなあかんのか!」

浜田「もー! なんやねん! あっこに見えてんのが宮殿なんやろ!? 真面目な時に笑かすなや!」

藤原「お前らちょっと見てくれるか? あれが宮殿や」

遠藤「いやだからもういいですって」

藤原「今からあの宮殿に突入するんやけど、実は俺が宮殿内部にすでに『出口』を作っといたんや。入り口はここにあるけど、ここから入ったら、念空間から出られるのは宮殿内部の1階中央階段脇や」

モラウ「王は恐らく2階玉座の間、護衛軍もそのすぐ側にいると考えられる」

浜田「ほんなら、そっから階段上って2階まで行かなあかんのかいな」





92: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:25:20.75 ID:bzeTjh4C0

松本「もっと近くに出口作っとけや」

モラウ「……あんたら、あの円が見えるかい?」

田中「? なんかオーラがアメーバみたいに動いてますね。あれも円なんですか?」

モラウ「あれは護衛軍のネフェルピトーって奴の円だ。あれがあるから普通は宮殿に近づくことさえできないんだ。先日『たまたま』あの円が消えた時に、藤原さんが潜入して、限界まで近い所に出口を作ってくれたんだよ」

山崎「その、1階中央階段脇ってのが、近づける限界やったんすね?」

藤原「そうや。階段の上にはなんかほかの奴のオーラが見えたから、そっから先には進まれへんかったんや。めっちゃ禍々しいオーラやったで。俺はもう心折れてもうてるから、突入はお前ら6人で行ってくれるか」

松本「ンフw堂々と何を言うとんねん」

デデーン! 『松本 浜田 山崎 アウトー!』

浜田「ちょお! ほんま、もうすぐ突入すんねやろ!? ちゃんとせえや! イッタ! 硬使うなや!」





93: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:28:10.49 ID:bzeTjh4C0

遠藤「まぁそれはそれとして、王と護衛軍を分断するのってそんな簡単じゃないですよね? 」

モラウ「ネテロ会長も時間を合わせて突入するらしい。その混乱に乗じて分断する。会長が具体的にどう動くかまでは分からんが、まぁ、予想外のことなんざいくらでも起こるんだ。何が起こっても対処できる覚悟だけはしといてくれ」

浜田「ネテロさんいう人もいい加減やなぁ。どう動くか言うといてくれるだけで、こっちの動きもだいぶちゃうのになぁ」

藤原「ほんならそろそろ、入ってくれるか(ズズズッ……)」

山崎「もー! ほんまに嫌やぁ!」

浜田「ここまで来たら引き返されへんやろ。とにかく、行くで」

(ゾロゾロ……ズズズッ……)





94: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:30:37.63 ID:bzeTjh4C0

メルエム「もうよい! ピトー! 貴様の円は1階までだ! もし玉座の間に侵入者があれば、余自ら排除してくれる! もし2階に入ってきたら、たとえ貴様らと言えど、侵入者と見なし容赦せん!(スタスタ)」

プフ「…………仕方ありませんね、それでは、ピトーは宮殿の外側を覆うように円で警戒、ユピーは中央階段で侵入者を目視により警戒、私は宮殿前で人民の選別に当たる、ということで」

ユピー「まぁ、そうするしかないだろうな」

ピトー「決まりだね、それじゃ(スタスタ)」

プフ「王とアカズの軍儀……ただの戯れで済むでしょうか……」

ユピー「あ? なんか言ったか?」

プフ「…………いえ」

ユピー「? それじゃあ俺は、中央階段で張っとくぜ(スタスタ)」

プフ「…………」





95: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:34:15.23 ID:bzeTjh4C0

モラウ「突入1分前だ。みんな、集まってくれ」

(ゾロゾロ……)

山崎「あー、ほんまに嫌やぁ……」

遠藤「邦正さん、もう諦めましょう」

田中「何とかなりますって」

モラウ「それじゃあ分担の確認だ。俺はシャウアプフって蝶の奴、松本さんと浜田さんと山崎さんはネフェルピトーって猫、遠藤さんと田中さんはモントゥトゥユピーって人型の奴だ。基本的には各自、敵との距離をとりつつ、会長と王のタイマンをサポート」

浜田「護衛軍に王の助っ人に行かすなっちゅうこっちゃな」

モラウ「あぁ、会長がうまく王を連れて離脱してくれるまでが勝負だ」

松本「まぁ何にしても、突入したらピトーとかいう奴の円があるやろうからすぐ警戒されるやろうけど、護衛軍3人とも2階玉座の間で王の警護から動かんやろうな」

田中「みんなで階段上って2階までは一気に走り抜けたらいいんすね」

モラウ「……30秒前」

遠藤「あー、めっちゃ緊張してきた」





96: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:37:19.64 ID:bzeTjh4C0

モラウ「……15秒前」

浜田「(ズズズッ……チャッチャッ)よっしゃ、全弾具現化できとるな」

田中「もしかしたら、念弾の方が使い勝手あるかもしれませんけどね」

浜田「そやなぁ……まぁ、念弾は実弾の残弾がなんぼでも関係なく撃てるし」

遠藤「邦正さん、『ゲイレキ・フェイク』の右手と左手間違えんといてくださいね」

山崎「間違えへんわ! 左手で吸収、右手で放出や!」

モラウ「……10秒前」

松本「遠藤、お前どうせホホホイの時に服脱ぐんやから、今のうち脱いどいたら?」

遠藤「あ、ほんまですね(ヌギヌギ)」

浜田「大丈夫かいな?10秒前やぞw急げよ」

藤原「モラウさんのカウントがゼロになったら出口開くからな。頑張ってこいよ」

モラウ「……5……4……3……2……1」

藤原「(ズズズッ……)」

モラウ「GO!!」

一同「(ダダダダダダダッ!)」

遠藤「え!? ちょ! まっ!」





97: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:41:32.54 ID:bzeTjh4C0

(ザッ!)

モラウ「!?(敵の円がない?)」

ユピー「!? なんだこいつら!? どこから?」

山崎「!? ちょっとぉ! いきなり敵いますやんか!」

モラウ「どうなってんだ!? まぁいい! とにかく煙幕を……!?」

(ドドドドドドドドドッ!!)

浜田「なんや! なんか降ってきたで!」

モラウ「念弾の雨!? 見たことない攻撃だが……会長か?」

松本「危ないぞ! 当たらんように気ぃつけろよ!」

田中「これ全部は避けられませんて!!」

ユピー「……一発一発は大した威力じゃなさそうだな……ということは、俺はこいつらをここより上に通さなきゃいいだけだ……」

山崎「敵もそうやけど、この念弾の雨も……めっちゃ怖いぃぃぃぃ!」





98: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:45:39.01 ID:bzeTjh4C0

遠藤「ホホホイ…………ホォォォォォォォォォイ!!」

ユピー「!?」

(ギュゥゥゥゥゥゥゥンッ……ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!)

ユピー「ぐっ……ぐぁぁぁぁっ!」

山崎「え?……念弾の雨が、全弾、向きを変えて、ユピーに当たりましたよ! …………あ! 遠藤のホホホイか!」

浜田「遠藤! やるやん!」

遠藤「いや、服脱ぐんに手間どって、皆よりちょっと遅れたんがよかったですわ。落ち着いて対処できました!」

松本「ほんま、これ以上ない言うタイミングでホホホイ使ったな……そのドヤ顔やめぇ」

ユピー「ク…………ソがぁぁぁぁぁ!!」

山崎「うわぁぁぁぁ! めっちゃ怒ってる!」

松本「モラウさん! あんたはよプフとかいう奴探しに行きなはれ!」

モラウ「おお!(ダッ!)」

ユピー「何をしようが……こっから先は……上らせねぇよ!(ズオッ!…………ズガァァァァァァァァァンッ!!!)」





99: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:47:48.90 ID:bzeTjh4C0

松本「くっ……あいつめちゃめちゃやな……パンチで階段吹っ飛ばしよったで……モラウさんはなんとか上に上れたみたいやけど」

浜田「でも、これやと俺ら玉座の間まで行かれへんで……ピトーとか言う奴もそこにおるとしたら……まずこいつを全員で倒さなあかんやんけ」

田中「さっきの念弾の雨の集中砲火でも、致命傷じゃなさそうですしね」

浜田「遠藤! とにかくホホホイ使ってあいつヤってまえ! 脳内出血やったら効くやろ!」

遠藤「そ、そうすね! サンバのリズムを」

ユピー「させるかぁぁぁぁ!(ビュッ!)」

遠藤「うっ、うわっ!(バッ!) あぶな! あいつ腕伸ばして攻撃してきましたよ!」

ユピー「……それはさせねぇよ」

松本「かなり警戒されとんな」

田中「サソリ女んときは、向こうが待っててくれましたもんね」

浜田「くっそ、どんだけ強くても生き物やったら効く攻撃やのになぁ……」

山崎「ヤバいじゃないっすかぁ!!」

松本「……どんだけ強くても……生き物やったら……!! そや! 田中! こんなんできるか?」

田中「!?」





100: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:50:16.91 ID:bzeTjh4C0

松本「…………するねん! どうや?」

田中「やってみます!(ボヒュゥゥゥゥゥゥゥンッ)」

浜田「!? 何するつもりや?」

松本「まぁ見とけって」

ユピー「?…………っ!? ぐっ! ……っ! ……カ……ハ……い……き……が」

山崎「え? なに? めっちゃ苦しんでますよ?」

松本「ふぅ……これでええやろ」

浜田「なんやねん! どうなってん?」

松本「田中は今、オーラになって、ユピーの顔の周りにおんねん」

遠藤「それでなんであんなに苦しむんですか?」

松本「田中はトンボのキメラアントと戦ったとき、体を五つに分けたやろ? 今はできるだけたくさんに分かれとんねん。つまり、オーラの粒子ひとつぶひとつぶ、自由に操れるっちゅーわけや」

浜田「めっちゃ細かく分かれてるっちゅーわけか」





101: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:52:10.99 ID:bzeTjh4C0

ユピー「ぐっ……………………」

遠藤「でも、なんでそれでユピーがあんなに苦しんどるんですか?」

松本「オーラの粒子の単位で行動できるっちゅーことは、あいつの認識できる世界も粒子のレベルや……数え切れへんほどの田中が、ユピーの顔の周りでしっかりと捕まえてくれてるんや……酸素を」

山崎「酸素って……O2ですか!? それをひとつひとつ掴むことができるなんて……」

浜田「それでユピーは息ができんで苦しんどるんか……ほんまめちゃめちゃやな」

遠藤「でもこれで、なんとかケリ着きそうですね」

松本「おお」

……………………

ユピー「……………………」

山崎「ちょっと……松本さん……」

遠藤「そろそろ5分経ちますよ?」

(バシュンッ!)

浜田「!? 田中!」

田中「っはぁ!……はぁ……はぁ……あかん」

ユピー「……ふんっ……ゴミどもが」





102: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:54:08.08 ID:bzeTjh4C0

山崎「どうなってるんですかぁぁ!? 酸素ないと生きていかれへんのと違うんですか!?」

松本「……いや、それはあってんねんけどやな、酸素がなくて生きられる時間は、生き物によってかなりちゃうし」

ユピー「フラッタの最後の仕事のおかげで助かったぜ……5分と知ってりゃ、ジッとして我慢してればやり過ごせない時間じゃない」

田中「はぁ……はぁ……すんません……多分僕が……あのトンボにうっかり能力のことを……(>>)」

浜田「済んだことはええわ……とにかく今はこいつを」

ユピー「ぅぅぅぅるせぇぇぇぇぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!(ボコボコボコボコボコ!)」

遠藤「!? 体が……膨らんだ!」

松本「ボケっとすんなぁ!! 逃げるぞぉぉぉ!!(ダダダッ!)」

ユピー「ッ……!(ッッッッッドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ)」





103: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:55:04.59 ID:bzeTjh4C0

遠藤「っ……はぁ……はぁ……危なかったぁ……」

山崎「あんな爆発……反則やわぁ!!」

浜田「……建物の2階から上、吹っ飛んでもうとるがな……」

ユピー「…………」

田中「あ! あれ! 吹っ飛んだ建物のところに! あの煙!」

松本「玉座の間の周りに煙が……モラウさん、あそこでプフって奴と一騎打ちしとるみたいやな」

浜田「? ちゅーことは、玉座の間には、王はおらんってことか?」

ユピー「? ……なん……だと?」

松本「そうか、ほんなら会長さんは、どっか離れた場所で王との一騎打ちに持ち込めたんやな……でもそうすると」

田中「そうっすよね、ピトーって奴はどこで何してるんでしょうね?」

遠藤「どっかで戦ってる様子もないし」

ユピー「…………よ」

山崎「?」

ユピー「何なんだよぉぉぉぉぉぉ!! どいつもこいつもよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」





104: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:57:30.46 ID:bzeTjh4C0

松本「! またか!? 逃げるぞ!(ダダダッ!)」

山崎「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(ダダダダダダダッ!)」

ユピー「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!(ボコボコボコボコボコ!!!…………ッッッッッドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ)」

遠藤「はぁ……はぁ……あんな威力、ほんまに反則ですよ……地面クレーターみたいになっとるし」

田中「ていうか、何なんですかね、あの技」

松本「オーラを体内で増幅させてから、一気に爆発させとるんやろうな」

ユピー「…………」

浜田「見た目もそんな感じやもんな……体ふくらんでるし」

遠藤「風船を限界までふくらまして、一気に飛ばすようなもんですね……あの念弾の集中砲火でも無事でいる防御力と、あの攻撃力……どうしたらいいんすか」

ユピー「……これで……最後だぁぁぁぁぁぁぁ!!! ぐぉぉぉぉぉ!(ボコボコボコボコボコ!!)」

山崎「浜田さん!」

浜田「?!」





105: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 14:59:51.37 ID:bzeTjh4C0

山崎「ほんならお願いしますね!(ダダダダダダダッ!)」

浜田「待てってお前! クソ! どうなっても知らんぞ!(チャッ)」

松本「何するつもりや!?」

ユピー「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!(ボコボコボコボコボコ!!)」

山崎「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 怖いぃぃぃぃ!(ダダダダダダダッ!)」

遠藤「邦正さん……ビビりながらユピーに向かってってますよ……」

田中「ていうか、ヤバいでしょ! 邦正さんほんまに死にますよ! ほんまに何するつもりですか!?」

浜田「もう黙って見とけ!! 今すぐ走って逃げても間に合わんわ!(ドンドンドンドンドンドンッ!)」

遠藤「念弾!? 最初の念弾の雨の集中砲火でも効かんかったんですよ!? 今さらそんな攻撃……って、そのコース!」

田中「ユピーに当たりませんよ!? このままやと邦正さんに後ろから命中しますよ!」

ユピー「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!(ボコボコボコボコボコ!!)」

山崎「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!(ダダダダダダダッ!)」





106: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 15:01:35.26 ID:bzeTjh4C0

遠藤「あかん! 浜田さんの念弾……邦正さんに当たる!」

山崎「うわぁぁぁぁぁ!!!(ダダダダダダダッ! バッ!)」

田中「え? 左手!?」

山崎「あぁぁぁぁぁ!!(バシュンッ!)」

遠藤「え……念弾を……吸収したんか?……」

ユピー「(ボコボコボコボコボコ…………)これで……終わ」

山崎「あぁぁぁぁぁぁ!!(ダンッ! ガシィィィッ!)」

ユピー「っ!?」

山崎「山ちゃんの右手やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!(ズオォォォォォッ!)」

ユピー「ゴブッ!?……」

(…………ドッッッッッッッッッッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ
ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ
ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!)

遠藤「っわ!?」

浜田「くっ!」

松本「っ!……『ベテランの右手』やろ、名前間違えんなや」

田中「……すごい爆風やったな……!? 邦正さん! 邦正さん! どこですか!?」

松本「……ほんまに死んだんちゃうか?」





107: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 15:06:46.19 ID:bzeTjh4C0

田中「僕ちょっと探してきます!(バシュンッ!)」

浜田「……ユピーはどうなったんやろな? 爆心地見に行こうか」

(ゾロゾロ……)

遠藤「あ! あれ! ユピーちゃいますか?」

松本「ん~、まぁ、多分そうやろなぁ……バラバラに千切れてもうてるけど」

遠藤「…………えと、結局、何が起こったんですか?」

松本「分からんか? お前が近いこと言うてんけどなぁ」

遠藤「?」

松本「風船ふくらましたんや……ふくらましすぎて、破裂したんや」

遠藤「え? 風船?」

浜田「だからお前が言うたやろ! ……爆発寸前のユピーの体に、山ちゃんが俺の念弾と合わせた二人分のオーラを強引にぶち込んだんや……『ゲイレキ・フェイク』で、オーラを攻撃に使ったんちゃうねん。逆にユピーに与えることで、破裂させたんや」

遠藤「ユピーが自分でしてた爆発は、風船ふくらまして、吹出し口から一気に出すようなもんで……邦正さんがオーラを強引に送ったから、風船そのものが破裂したんすね……だからユピーは、バラバラに千切れた」





108: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 15:08:37.31 ID:bzeTjh4C0

田中「! おった! 皆さん! 邦正さんいましたよ!」

浜田「おぉ! 生きとったか!」

(ダダダダダダダッ!)

山崎「あたたたたた……死ぬか思たわ」

遠藤「邦正さん! よく無事でしたねぇ」

山崎「無事ちゃうわ! 爆発した瞬間に左手で爆発のオーラをできるだけ吸収したんや! それでも死にそうなくらい痛いわ!」

浜田「まぁ、生きとってよかったわ……(バシィィィィッ!!)」

山崎「!? いっっったいわぁぁぁ! 今の流れで何でどつくんですかぁ!?」

浜田「思いつきで勝手なことすな!! 上手くいかんかったらほんまに死んどったぞ!」

田中「でも、思考力を強化できる松本さんも思いつかんかった作戦で特攻して……なんとか上手くいきましたね」

浜田「……お前、松本が思いつかんかったって、ほんまに思てんのか?」

田中「へ?」





109: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 15:10:30.45 ID:bzeTjh4C0

松本「…………」

遠藤「松本さん……思いついてたんですか!? ほんならなんで」

浜田「言えるわけないやろ……立場上、俺らが作戦を提案したら、どうしたってお前らに対して強制力が生まれるがな。たとえそれが、口にしただけのもんでも」

山崎「…………」

浜田「田中が言った通り、この作戦は特攻や。しかも山ちゃんにしかできへん。そんな作戦、口にできるわけないやろ」

松本「……まぁ、山ちゃん、助かったわ。ありがとう」

山崎「……すんませんでした」

浜田「はぁ……ほんなら次行こか」

遠藤「次、か……プフはモラウさんが拘束してくれてはるから、ピトーを探しましょうか」

田中「あ、ほんならまた僕が探しますね!(バシュンッ!)」





110: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 15:15:18.30 ID:bzeTjh4C0

松本「お、戻ってきたで」

田中「(シュゥゥゥゥンッ)いましたよ! あっちの建物の、塔みたいになってるとこの最上階です!」

浜田「ひとりか? 何しとったんや?」

田中「えーと……それがよく分からなくて……とにかく行きましょう!」

(ゾロゾロ……)

松本「!? あいつか?」

山崎「なんかやたらデカい看護婦みたいなんが……あれも念ですかね」

ピトー「!?」

田中「? あそこで倒れてるの……人ですよね?」

コムギ「…………」

遠藤「! 改造してるんちゃいますか!? 人民の選抜で選ばれた奴って、キメラアントみたいに改造されてまうんでしょ?」

ピトー「…………(こいつらは?…………どうすれば……コムギに危害を及ぼすことなく、この場を乗り切れる?)」

浜田「とにかく、先手必勝や!(チャッ)」

ピトー「! ま、待って!」





111: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 15:18:56.41 ID:bzeTjh4C0

松本「?」

浜田「?……待つ? 何をや?」

ピトー「……この人の……治療が、終わるのを……」

田中「治療? 改造じゃなくて?」

ピトー「…………この人は、さっきの念弾の雨で重傷を負ってしまった……この人は、僕の大切な方が大切にしている人です……だから、治療させてほしい……重大な危機を乗り越えられるまで、あと1時間はかかるから……」

田中「…………」

山崎「…………えっと、どうしましょ?」

松本「……お前が知ってること、順番に全部話せ」

ピトー「……わ、分かった……」





112: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 15:22:00.19 ID:bzeTjh4C0

ピトー「…………王はそのふたりの老人のうち、髪を結っている方の男とここを離れた。もうひとりの男の能力で、龍を出して……その龍につかまって、南に飛んで行った……確かそっちには、軍の演習場があったから」

松本「なるほど……ちゅうことは、今、ネテロ会長はそこで王と一騎打ちっちゅうわけやな」

山崎「でもそれやと、コムギさんが死にそうなんは、僕ら討伐隊側のせいってことですよね」

松本「…………」

ピトー「…………この傷なら、間違いなく治療はできるんだ……でも、
時間がかかる……」

遠藤「……それが、一時間なんすね。その間は念が全く使えないから、僕らと戦いたくない、と」

ピトー「それまでは! 治療以外のことはしないし! 治療が終わった後も! 君たちの言うことを何でも聞く! 君たちと戦うこともしない! だから」

浜田「うるさいボケ!(パァンッ!)」

ピトー「がっ!?(ドサッ)……………………………………………………」

山崎「え!?」

浜田「(パァンッパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!)」

ピトー「……………………(ビクンビクンッ)」

田中「え!? ちょ!」

松本「…………」

遠藤「え? …………お、終わりですか?」





116: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 15:57:07.74 ID:bzeTjh4C0

松本「まぁ、終わったんちゃうか?」

田中「えーっと……い、いいんですかね? あの人、コムギさん、助からないんじゃ」

松本「それは俺らの仕事ちゃうがな。キメラアント討伐が俺らの仕事や。念を使えへん今のうちに殺るしかなかったんや。浜田もそれ分かってたからやったんや」

浜田「…………」

山崎「で、でも、治療させてからでもよかったんちゃいますか? 言うこと聞く言うてたし」

松本「悠長に治療が終わるの待っとったら、状況がひっくり返るかも分からん。それにあいつの言葉を信じる根拠がないがな。
あいつの最後の口ぶり、『自分ならコムギを助けられる』って暗に強調しとったしな。駆け引きする気満々やがな。ま、とりあえず必要な情報だけはもらえたからええわ」

遠藤「えーっと…………ほ、ほんなら! あとはプフだけですね!」

松本「まぁ、モラウさんがいてはるけど、加勢に行った方がええやろ。王の居場所も、細かい場所は分からんし、ほかにすることないもんな」

浜田「ほんなら、さっきのとこやな。ユピーが吹っ飛ばした玉座の間のとこまで行こうか」

(ゾロゾロ……)

山崎「あ、あれですね。まだ煙がありますから、まだふたりは中にいますよね?」





117: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:00:09.98 ID:bzeTjh4C0

浜田「ん~……ほんで、どうしたらええんやろな? 閉じ込めてんねんから、こっちからも入られへんしなぁ」

松本「田中、オーラになったら煙の隙間から入られへんか? ユピーの時にやったみたいに粒子単位になれば、煙の粒子の隙間も抜けられるんちゃうか?」

田中「あ、なるほど、そうすね(ボヒュンッ!)」

浜田「ほんま、田中の能力は便利やな。オーラになれるってだけで使い勝手よすぎ」

田中「(シュゥゥンッ!)や、やばいですって!!」

松本「!? なんや? どないしたんや? すぐ元戻って」

田中「あいつも! プフもおんなじことしてました! 僕はオーラ一粒一粒になったから見えたんです! プフも自分の体をめっちゃ小さく分裂させて、煙の隙間から抜け出してましたよ!」

浜田「? いや、体を小さく分裂させて煙の隙間から逃げてるんやったらさ、煙幕張る意味ないやん? モラウさんはなんでいつまでも煙幕張ってるんや?」





118: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:03:01.04 ID:bzeTjh4C0

松本「……多分プフは体をそのまま残してるように見せて、ちょっとずつ抜け出してるんやろな。そうすれば、モラウさんから見ても変化はないけど、自分の体を少しずつ外に出せる」

浜田「あかんやんけ!」

山崎「えーっと、つまり、どういうことですかね?」

松本「このままやと、モラウさんはプフを拘束してるつもりやけど、プフはまんまと逃げてまうっちゅうことや! ヘタしたら、王の加勢に行かれてまう!」

山崎「え!? ど、どうしましょ!?」

浜田「どうするってお前、そらモラウさんにほんまのこと教えて、煙幕解いてもらって、俺ら全員でプフ倒すんが一番やがな」

松本「……いや、ちょっと待て…………」

遠藤「?」

松本「田中、プフは体を粒子レベルに分解して脱出しとんねんな?」

田中「え? はい」

松本「ほんなら…………」





119: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:04:11.59 ID:bzeTjh4C0

田中「(シュゥゥンッ)モラウさん! まずいです!」

モラウ「!?(田中さん!? どうしてこの煙の中に?……そうか、オーラになっちまえば煙の粒子の隙間を抜けられるのか)」

田中「モラウさん! 今僕がやったことをプフもできるんです! 自分の体を小さく分裂させて、煙の隙間から出て行ってます! このままやとモラウさんはプフを拘束してるつもりで、逆にこの場に拘束されることになりますよ!」

モラウ「!(……シュゥゥゥゥ)」

浜田「……あれ? 煙幕解けたで? なんでや?」

遠藤「あ、いますね。モラウさん……と……!? 」

モラウ「田中さんよ、助かったぜ。あのままだとプフの奴はまんまと王の加勢に……!? な! なんだと!?」

田中「え!? え? あれ? なにこれ?」

山崎「な! なんですかこれ!?」

浜田「おい! どうなってんねん!」

遠藤「なんで? 増えたん?」

松本「……やってくれたな」





120: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:05:29.25 ID:bzeTjh4C0

田中「…………」

田中「え? あれ?」

遠藤「田中が……ふたり?」

浜田「どういうことや? なんで煙の中にもうひとり田中がおってん?」

松本「……やられたな」

田中「…………フフフッ(シュゥゥンッ)」

モラウ「くっ! てめぇ! プフ!」

山崎「え!? 煙の中におった田中が、プフに!?」

浜田「……逆や。プフが田中に化けて……モラウさんを騙したんや」

プフ「ええ、粒子レベルで分解、再構築ができるということは、姿も声も真似られるということですよ」

松本「……そやな、声帯も同じ形にしたら、声もおんなじや」

プフ「もっとも、ヒントを下さったのはあなた方なんですけどね」

田中「え? どういうことすかね?」

浜田「知らんがな、本人に聞けや」





121: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:07:32.84 ID:bzeTjh4C0

プフ「ええ、お教えしますよ……あなた方のあの時の会話、特に松本さん、非常に助かりました」

…………………………

山崎「どうしましょ!?」

浜田「どうするってお前、そらモラウさんにほんまのこと教えて、煙幕解いてもらって、俺ら全員でプフ倒すんが一番やがな」

松本「……いや、ちょっと待て」

遠藤「?」

松本「田中、プフは体を粒子レベルに分解して脱出しとんねんな?」

田中「え? はい」

松本「ほんなら…………その粒子レベルのプフはどこにおんねん?」

田中「? いや、ここにいますよ」

松本「それがおかしいわ。いや、当然と言えば当然やな」

浜田「どういうことやねん? ちゃんと説明せえや」





122: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:08:29.00 ID:bzeTjh4C0

松本「プフからしたら、さっさと王の加勢に行きたい……これは絶対に動かん事実や。ほんなら粒子レベルで脱出してるのに、さっさと加勢に行かんでここにとどまってるのはなんでや?」

遠藤「……場所が分からないからと違いますか?」

松本「場所が分からんかったら探したらええねん。虫一匹のサイズでもまとまれば、それができる。でもそれやと意味ないんや」

山崎「……加勢に行ったんが虫一匹では、役に立たないってことですか?」

松本「そうや。だからプフは今、さっさと体の大部分を煙の外に出したいと思ってるはずや。でも粒子レベルで抜け出すってことは、移動距離も粒子の世界や。
モラウさんの分厚い煙を抜け出すだけでも時間かかってしゃあない」

田中「た、確かにそうっすね」

松本「つまりあいつは体の大部分をさっさと煙の外に出したい。ほんならどうしたらええか? 簡単や。モラウさんに煙幕を解いてもらったらええねん」

浜田「でも、そんなん、普通に考えてモラウさんがするわけないしな」

松本「それやったら、ある程度まとまったところで、外に出した体で声出したらええねん。『もう外に出てますよー! さいなら!』ってな。そんなん聞いたらモラウさんは煙幕解かなしゃあない。そしたらプフは残りの体も回収できるっちゅーわけや。
でもそのためには、やっぱりある程度まとまって外に出とかないとあかん。少なくとも、声を出すために、肺から上くらいまでは構築できるくらいには、な」

田中「ほんなら僕らにできることは……」

松本「このまま外で待ってて、プフが自分の体を再構築したところで、声を出す前に邪魔することやな」

……………………

プフ「あなた方がおっしゃったように、外から声を出せるようになるまでは時間がかかる。ですから私はこうしたんですよ……煙の外に出ずに、中で声を出した。田中さんの姿をお借りして、ね」

モラウ「くっ! 俺はそれにまんまとひっかかったわけか!」





123: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:10:11.49 ID:bzeTjh4C0

プフ「そう気を落とさないでください。煙の中の心理戦、素敵な時間でしたよ。そして、不意を突いたとは言え、私を拘束したその能力……はっきり申し上げて、脅威です。
しかし、先ほどは念弾の雨と王の不在からの混乱のため、煙幕に捕らえられてしまいましたが、今度はそうはいきませんよ」

田中「ど、どうしましょ……このままやと」

プフ「ええ、私はこれにて失礼します。王の捜索は時間がかかりますが、この体なら確実に見つけ出せます。では!」

松本「ピトーとユピーの死体もな」

プフ「……………………今、なんて?」

松本「いや、すぐに見つけられるやろうなぁ、って思っただけや……ん? なんやお前、あいつらが無事やとでも思っとったんか? 俺ら全員ここでお前の相手してんねんで? ほかのふたりが生きてるわけないやろ」

プフ「……意外ですねぇ、そんなに分かりやすい挑発をするなんて。時間稼ぎだと吐露しているようなものですよ」

山崎「ほんまや言うねん! あいつらふたりとも俺らがやったったぞ!」

プフ「分かっていないようですね。疑っているわけではありませんよ。無論、信じてもいません。今の私にとって重要なのは王を護ることであり、それ以外は関心事ではないのです。あなた方の話の真偽も、ふたりの生死も」





124: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:10:56.07 ID:bzeTjh4C0

浜田「所詮は虫ケラか」

プフ「何も響きませんよ。拘束できるものならしてみなさい。粒子レベルになれる私を、拘束できるものならね」

遠藤「た、確かに、田中の能力と一緒やったら、どっかを破られたらおしまいや。拘束なんて、無理やん!」

プフ「あなた方、討伐隊の能力では、天地が返っても私を捕らえることはできないのですよ! それでは!(ギュンッ)」

山崎「あぁ! 逃げられる!」

モラウ「くそ! 行かせねぇ!(ズンッ!)!? な! 今度はなんだ!?」

浜田「(ズンッ!)な! なんや!?」

田中「(ズンッ!)お、重」

プフ「!? (ズンッ!……ドシャァァッ!)な! 飛べない!? 体が……重く」

???「討伐隊はね、こいつらだけじゃないのよ」





125: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:12:08.07 ID:bzeTjh4C0

遠藤「う……!? マ、マツコさん!?」

浜田「おい……藤原もおるで」

山崎「藤原さん、心折れとったんとちゃうんですかね?」

マツコ「どうかしら? 私の『上からマツコ(ヘヴィ・プレス)』は……重いでしょ?」

プフ「くっ! ……動けないっ」

マツコ「重力が働く力場というのは平等よ。どんなサイズのものに対しても、ね」

プフ「くっ……フッ……フフッ……しかしそれでは私を殺すことはできませんよ……あなたが力尽きたところで、反撃させてもらいます」

マツコ「勘違いすんじゃないわよ。なんで私がいつまでもあんたの相手しなくちゃなんないのよ。私はあんたを一時的に動けなくするだけ。その後は閉じ込めちゃえばいいだけよ」

浜田「いやいやマツコさん、その閉じ込めるいうんが無理なんですって」

マツコ「はぁ……何のためにふたりで来たと思ってんのよ」

松本「ていうか、はよしてくれや。いつまでこの重さに耐えとったらええねん。俺らまで地面にはりつけやんけ」





126: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:13:56.14 ID:bzeTjh4C0

藤原「ほんなら……(スタスタ)」

浜田「ていうかなんで藤原は自由に動けんねん。俺らは動かれへんのに」

マツコ「私とキスした男は動けるのよ。あんたらもする? 田中は嫌だけど」

浜田「いや、さっさとプフ倒して能力解除してください」

プフ「私を……倒す? フフッ……笑わせ」

マツコ「はいはい分かった分かったあんた強くて私じゃ倒せないわ、これでいい? でもね、粒子レベルの隙間からでも逃げられるあんたでも、隔絶された異空間じゃどうしようもないでしょ?」

藤原「(ズズッ)」

遠藤「!? プフの真下の地面にに」

田中「『四次元マンション(ハイド・アンド・シーク)』……念空間への入口……」

プフ「念……空間? まさか!?」

マツコ「そうよ。あんたを倒すのは無理だから、異空間にしばらくの間、飲まず食わずでいてもらうわ。それじゃあね、勘違いしたアリンコさん。覚えてたら10年後ぐらいに『そっち』の様子見に行くから、その時までには死んでてね」

松本「……重力操作で、真下に作った念空間への入口に強引に突っ込むんか……」

プフ「クッ……ソォォ!」

(トプンッ)





128: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:15:03.90 ID:bzeTjh4C0

モラウ「…………お、終わったのか?」

マツコ「まぁ、そういうことね(フゥッ)」

浜田「お、動けるようになったわ(ムクッ)」

松本「ていうか藤原。お前心折れとったんとちゃうんか? 何やねん今さら出てきて」

藤原「俺の心を折った相手に復讐できる、またとないチャンスやったからな。マツコさんが動き止めてくれて、絶対に安全な所からトドメささせてくれる言うてくれたから、ついてきたんや」

松本「ンフフフフフフwwwだからお前堂々と何を言うとんねんwwwwww」

デデーン! 『全員 アウトー!』

浜田「いやもうええよケツバットは……意味分からんから」

マツコ「それじゃ私は帰るわよ。ギャラ分はもう働いたんだからね(スタスタ)ほら、行くわよ藤原」

藤原「はい(スタスタ)」

田中「…………え、えーと、それじゃ、護衛軍は全員やっつけた、ということでいいんすかね?」

山崎「良いも何も、その通りやからなぁ」





129: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:15:57.25 ID:bzeTjh4C0

浜田「まぁ俺らがまともに勝負して倒したんはユピーだけやけどな」

モラウ「あんたらすごいな、さすが、ローラが占いで選んだだけある」

松本「あんなわけの分からん占いでも、ちゃんと占えてたんやなぁ」

遠藤「えーと、ほんなら、今からどうしますか?」

山崎「ネテロ会長の加勢に行きますか?」

松本「ん~、それもどうなんやろなぁ?」

モラウ「あぁ、ヘタに周りにいられると会長も迷惑だろうから、行かない方がいいだろう。ここで待とう……会長の勝利を信じて」

田中「……あの、さっきから気になってたんですけど、あれ、何なんですかね?」

山崎「あ、俺も気になっててん。ここって宮殿やから、普通あんなんないよな?」

モラウ「……あぁ、あれか。あれは」





130: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:17:13.93 ID:bzeTjh4C0

モラウ「エサと卵だよ」

遠藤「? どういうことですか?」

モラウ「宮殿の中庭に不自然に乱立してる木が20本。半分は、東ゴルトーの国民から選抜された兵隊。その卵だ」

田中「キメラアントに生物的に改造されて、卵の中で眠ってるんすよね? 卵から孵ったら、完成する……確か、選抜は予定では10日のところ、たった1日しか行われなかったんですよね?」

モラウ「あぁ、10日間で東ゴルトーの全国民500万人を選別する。1日50万人。生存率が1%だとして、ここにある木で5000人分の卵だ」

山崎「木一本あたりで500人分ってことですか」

遠藤「で、エサっていうのは?」

モラウ「そのまんまさ。もともと宮殿にいた人間やら、選別で生き残れなかった国民やらの人肉で作った肉団子だ。生まれてくる兵隊のエサらしい。木の形にしてんのは何か意味があるのかは知らんがね」

浜田「えらい多いな」

モラウ「生まれたてってのは食欲旺盛なもんだ。二、三日でなくなるだろ」

(……………………ドォォォォォォォォォォォォォォンッッッッ)

モラウ「!?」

山崎「な! 何の音ですかぁ!?」





131: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:18:32.72 ID:bzeTjh4C0

浜田「おい! あれ!」

田中「け、煙ですか? いや、それにしては形が……」

モラウ「!? バカな……まさかあれは……いや、しかし」

松本「? モラウさん、あれ何か知ってはるんですか?」

モラウ「あ、ああ、知ってはいるが、いや、しかしここであれを使うなんて……」

浜田「……すんません、僕ら分からんことだらけなんで、順番に説明してもらってもいいですか? あの煙は何なんですか?」

モラウ「あ、ああ、すまん……あれは、ある爆弾が爆発したときにできる煙だ」

山崎「ある爆弾って、煙で分かるんですか?」

遠藤「まぁ確かに個性的な爆煙ですね」

モラウ「ああ、あそこで使われた爆弾は、『貧者の薔薇(ミニチュア・ローズ)』と呼ばれるものだ」

田中「貧者の、薔薇?」





132: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:19:40.43 ID:bzeTjh4C0

モラウ「特殊な爆煙をあげることと、非常に小型で、安価で大量に作れる為、第三世界の紛争では頻繁に使われることから、そう呼ばれるようになった」

山崎「それがあそこで爆発したってことは、誰かが使ったんですよね?」

遠藤「あっちは南……王と会長が戦ってるとこですよね!?」

モラウ「……十中八九、会長が使ったんだろうな。蟻があんな代物を扱えるとは思えんし、爆撃機が飛んできた様子もない」

山崎「ほんなら、会長が持ってたんですか? でもそんなん隠し持っててもすぐにばれるんちゃいますか?」

モラウ「小型だって言っただろ? 恐ろしく小さいのさ。体内に仕込めるほどにな。自爆テロなんかでは、むしろそうした使い方の方がポピュラーなんだ」

遠藤「体内って……いや、そら体の中やったらばれへんかも知れませんけど、それが爆発したってことは」

モラウ「……あぁ、王も会長も、死んだと考えた方がいい」

山崎「考えた方が、って……確かめに行きましょうよ!」

田中「僕、先に行ってきます!(ボヒュンッ!)」

モラウ「!? 待ちな! 田中さん! 戻れ! 行っちゃいけねえ!」

田中「(シュゥゥンッ)ど、どうしたんですか? すごい剣幕で」

モラウ「あそこに近づいたらあんたも死ぬぞ。薔薇の毒で」





134: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:20:33.13 ID:bzeTjh4C0

浜田「毒?」

モラウ「あぁ、あの爆弾の煙には特殊な化学物質が含まれてる。もちろんそれ自体有害なんだが、薔薇の毒は吸った本人が死ぬだけでなく、毒はその死体のタンパク質を合成して、新たな毒の発生源になる」

松本「細菌感染みたいなもんやな」

モラウ「そうだ、だから早くここを離れた方がいい。あの周辺にいた鳥なんかがここらで死んだら、俺らもやられちまう」

遠藤「ほんなら…………えーっと、僕らの任務は……」

モラウ「あぁ、王も護衛軍も殺せた…………つつがなく完了ってわけだ」

田中「…………なんか、後味悪いっすね」

山崎「ほんまやなぁ……爆弾なんかでケリつくんやったら、会長もモラウさんも、俺らも命張らんでよかったやん」

モラウ「……そう簡単にはいかないんだ。東ゴルトーは他国とほとんど交易のない閉じた国だが、それでも国際的に国として認められている。
キメラアントによる乗っ取りが国際的に認知されていない以上、ハンター協会が他国を爆撃するなんてことはできんのさ。
それに、宮殿に何人の人間がいるとも知れない状況だ」

松本「王と護衛軍を分断して、人間のいないところで殺す……確かに、こうするしかなかったんやろなぁ」

モラウ「……とにかく、毒が届く前にさっさとずらかろう。協会の飛行船なら、すぐに呼べる」

???「その必要はない」

モラウ「!? その声!」

遠藤「え? なんで?」

田中「……な、なんでこんなとこに?」





135: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:22:06.59 ID:bzeTjh4C0

モラウ「グラチャン! グラチャンじゃねえか!」

高倉「……最後まで見届けたくてね」

ローラ「私もいるよー☆ウフフッ☆」

遠藤「高倉さんに、ローラまで……迎えに来てくれはったんですか?」

田中「それじゃ、飛行船を呼ぶ必要がないっていうのは……」

高倉「ええ、私たちが来た飛行船で帰りましょう。少し離れたところに停泊しています。ここからは見えませんが、歩いて行けますよ」

山崎「あぁ~! やっと帰れるんすね!」

浜田「しかしやっぱり、高倉さんはええとこ持ってくなぁ」

田中「あ、そうや! 高倉さん、実は宮殿のあっちの塔の上の方に、死にかけの女の人がひとりいるんですよ。ピトーの治療を受けてたから」

高倉「ご安心ください、女性はすでに保護し、飛行船内で医療班の治療を受けておられます。何の問題もありませんよ。 応急処置が早かったということでしたら、助かるでしょう」

田中「そうですか! よかったぁ」

遠藤「……ピトーには、感謝しとかなあきませんね」

松本「……………………」





136: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:23:27.58 ID:bzeTjh4C0

高倉「皆さん本当にお疲れ様でした。任務完了です! マツコさんや藤原さんも船内でお待ちですよ。さぁモラウ、帰ろう。肩貸すぞ(グイッ)」

モラウ「あぁ、グラチャン……(ヨロッ)へへっ、すまねぇな……実は疲れがピークでよ。助かるぜ」

高倉「っしょ、水臭いぞ。何ならお前も医療班に見てもらえ」

ローラ「みんなほんとにすごいねー☆自分で占っといてなんだけど、ほんとに大成功だね!」

遠藤「ほんなら、行きましょうか……浜田さん、歩けます?」

浜田「あぁ、なんちゅうことないわ」

田中「でもほんま、僕らがキメラアントに勝てるなんてね」

山崎「なるようになるんやなぁ………………松本さん?」

松本「……ん~、いっこ気になることあんねんけどさ」

遠藤「?」

松本「…………高倉さん、ライオンのキメラアントと、どんな取引したんですか?」





137: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:24:48.92 ID:bzeTjh4C0

モラウ「っ!? ぐっ(ドサッ)」

遠藤「え!? モ、モラウさん?」

モラウ「…………」

松本「……あんたの能力は確か、水流操作でしたね……モラウさんの脳に行く血液を制限して、気絶させたんですか……」

高倉「…………」

松本「モラウさんを眠らせたっちゅうことは、やっぱり聞かれたくないことですか?」

田中「え? ちょっと、話が、見えないんですけど……」

松本「ずっと気になってたんや……グラチャンいうベテランハンターの能力を、あのキメラアント、レオルっていうたか? あいつがレンタルしてた……どんな貸し借りがあったんやろうなって」

浜田「……確かにレオルは、相手に貸しを作ることで相手の能力を借りることができる言うとったな」

高倉「…………余計なことを」

山崎「!?」





138: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:26:18.80 ID:bzeTjh4C0

遠藤「松本さん……どういう……ことですか?」

松本「だからそれを聞きたいんや。高倉さん本人にな」

高倉「……あいつは、私の能力を使ったんですね」

浜田「……ご丁寧に自分の能力の解説までしてくれたで」

松本「念能力いうのは、本人の性格を色濃く反映するらしいやん? レオルとかいう奴、百獣の王の割りには、えらい打算的なとこがあったからなぁ……例えばこんなことがあったんちゃうかな、と思うねん」

田中「?」

高倉「…………」

松本「レオルは、討伐隊の一員であるハンターと遭遇したら、相手の能力を見る為にある程度の戦闘をしてから、こんなことを提案したんちゃうかなって」

高倉「…………提案というのは?」

松本「例えば……『このまま戦闘を続ければ決着はつくけど、両軍とも貴重な戦力の消耗になる。この勝負はお預けにしないか?』ってな。その後は、恩になるような情報を渡しといて、これは貸しやってことに同意させればええねんからな」

田中「……た、確かに、貸しを作って敵の能力を一時的に使える方が、敵を倒すことより、レオルにとってはメリットが大きいかも」

松本「高倉さんもレオルも生き残ってて、レオルが高倉さんの能力を使えるってことは、そういうやり取りがあったとしか考えられへん…………あんた、レオルにどんな情報をもらったんや?」

高倉「『MHK』ですか……想像以上に、キレますね……」





139: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:27:33.80 ID:bzeTjh4C0

高倉「さて…………何から話せばいいやら……時間はかかりますが、やはり最初からの方がいいですか? つまり、このキメラアント事件の発端から」

浜田「そうしてもらえたら助かりますねぇ」

高倉「…………分かりました…………このキメラアント事件の発端は、キメラアントの女王蟻が、NGLの海岸に流れ着いたことから始まりました」

遠藤「NGL?」

高倉「ここ東ゴルトーと陸続きになっている自治国です。自然との調和を掲げ、一切の機械、化学製品を排除した生活を送ることをモットーにした国です」

田中「そんなとこがあったんや……」

高倉「原因は分かりませんが、女王蟻の体は重傷を負っていました。女王は流れ着いた海岸で傷を癒しながら、食事をし、兵隊を増やしていきました。
そして、NGLに住む人々が犠牲になったことから、この生物災害は加速するのです」

浜田「人間を食べたことで、蟻の兵隊に知恵がついたんやな」

高倉「ええ、さらに初期段階で討伐に参加したハンターも犠牲になったことで、キメラアントは知恵だけでなく、念能力さえも手にしたのです。
そして、今お話ししたところまでは、ほとんど外界に情報が出ていませんでした。NGLの特性上、それは必然と言えるでしょう」

遠藤「そうか、自然の中で生きることをポリシーにしてるんやったら、人間が他の生き物に食い殺されても、それは自然の生き物としての寿命と考えるんか……そもそも通信手段もないやろし」

高倉「そして、生まれた王と護衛軍が、陸続きなっている独裁社会主義国家、東ゴルトーを静かに乗っ取り、キメラアントは国さえも手にすることができたのです」

山崎「キメラアントの女王が、最初にNGLに流れ着いたことで、ここまでの大惨事になったんやな……」

高倉「……………………偶然だと思いますか?」

田中「え?」





140: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:29:37.04 ID:bzeTjh4C0

松本「…………」

高倉「キメラアントが力をつける為の条件がここまで揃っていた……キメラアントとNGL……言わば最悪の組み合わせ…………女王蟻がNGLに流れ着いた…………これが偶然だと思いますか?」

山崎「え? どういう、意味」

浜田「…………山ちゃん…………高倉さんの能力は…………水流操作や」

松本「……やっぱり……あんたが女王をNGLに流したんやな」

遠藤「!?」

高倉「…………ローラの『天然な小生意気』というのは本当に優れものですね。女王の位置座標さえも教えてくれました」

松本「教えてくれた? 嘘つけ、ローラの占いはどんなキーワードが出るか分からんガチャガチャみたいなもんやぞ。あんた、位置が分かるまで占いを続けたんやろ」

高倉「…………」





141: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:33:02.69 ID:bzeTjh4C0

田中「ちょ、ちょっと待って下さいよ! そんなことしたら、占いの代償って、どんだけのものになるんですか!? 僕らの時、念能力のヒントをもらっただけで足の小指の爪を持っていかれたんですよ!?
いや、それよりも、なんでそんなことまでして、NGLに女王を流す必要があるんですか!? あなた……日本を代表する俳優ですよ!?」

浜田「ほんまやな、忘れとったけど、この人、念使えるプロハンターやけど、それ以前に俳優やもんなぁ」

山崎「まぁ忘れるのも無理ないですけどね、こんなむちゃくちゃなことが続けば……」

遠藤「でも、ほんま、なんでですか? キメラアントを使ってNGLと東ゴルトー潰して、何のメリットがあるんですか?」

高倉「私の目的、ですか…………それはね(ゴソゴソ)これですよ(スッ)」

浜田「?」



高倉「これは、何だか知っていますか?」

松本「? なんやあれ?」

遠藤「ん……錠剤……クスリですか?」

田中「あ! あれ! クスリですよ!」

浜田「わかっとるわ! もう言うてるやろ!」

田中「いや、じゃなくて、その……ヤバい方のクスリです」

高倉「よくご存知ですね……これは最近芸能界の裏側で流通しているタブレット型の麻薬……DDです」

山崎「田中なんで知ってんねん……まさかお前!?」

田中「いや! やってませんよ! 勧められたことはありましたけど……断ったし……」





142: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:34:29.12 ID:bzeTjh4C0

高倉「……そう、若手の芸人さん方の中でも、すでにある程度流通しているんです……それほど爆発的に広まっている麻薬なんです……」

松本「それが今回の件と何の関係があんねん?」

高倉「あなた方の質問は……何故水流操作で瀕死の女王をNGLに流したか……でしたね……このDDを作っていたのが、ほかでもない、NGLなんですよ」

山崎「!?」

浜田「……外界と隔絶された自然保護自治区が裏では麻薬の製造か……厄介やな」

松本「お前も似たようなことの元締めしてへんかったか?」

浜田「してるかアホ!」

山崎「あ、厄介ってそういう意味ですか」

田中「競合他社ってやつですね」

高倉「私は……許せない……役者として偉大な先輩……勝新太郎さんも、クスリに溺れていた……」

浜田「……まぁ、そやったな。何回も逮捕されてたし」





143: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:35:53.32 ID:bzeTjh4C0

高倉「芸能人の生き死にが、芸の巧拙によって決まるのならば良いでしょう……残酷ではあるが、正しいことです……
だが未来ある若者が、力の全てをそこに注ごうとして入ってきた世界が……その実は人の不安や涙を、依存性の高い薬物で食いものにする世界……」

松本「…………」

田中「…………」

浜田「……………………」

高倉「皆さんにも、薬物にご友人を殺された経験がおありですか?
……いや、やめましょう……あってもなんら不思議はありません」

松本「いや、こいつが黙ってんのは加害者として耳が痛」

浜田「ちょお! お前ほんまなぁ! しつこいねん!」

高倉「……平等な世界は、残酷だが美しい……だが今の芸能界は……卑怯で醜い……」

松本「で、DDが作られてるのがNGLやっちゅうとこまでは突き止めたあんたは、その製造工場の場所が知りたかった……そこで、レオルとの取引っちゅうことか」

高倉「ええ、おっしゃる通りです。偶然にも工場をねぐらにしていたのはユンジュという、レオルの部下でした。レオルは工場の場所を事細かに教えてくれましたよ」





144: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:37:31.19 ID:bzeTjh4C0

松本「だからあんたは、キメラアントの討伐隊を組織して、自ら指揮を執った……未曾有の生物災害を引き起こしたことへの罪悪感を薄める為と、NGL、いや、工場内のキメラアントを始末する為に!」

高倉「ご名答、というところでしょうか…………さて、それでは、次に私がすることもお分かりでしょう……NGLに向かい、工場そのものを破壊してしまえばそれで終わりです」

浜田「終わりっちゅうわけにはいかんなぁ(チャッ)」

田中「! 浜田さん!?」

浜田「今回のことで、どんだけの人が死んだと思てんねん……出るとこ出てもらうで」

高倉「……銃を構えておきながら、出る所に出ろ、なんて言ってしまえば、撃つ気はないと白状しているようなものですよ」

浜田「…………」

田中「あ、いや、高倉さん、めったなこと言わない方がいいですよ……この人、撃つときは撃ちますから。『そこまで言うんやったら撃ったるわ』ぐらいのノリで」

遠藤「そうそう、具現化した銃と弾やったら、消してしまえば証拠は残りませんからね。
多分今、浜田さんが考えてんのは『火薬も具現化したものと考えれば、硝煙の匂いも消えるんちゃうかな』とかそんなことですよ」

浜田「ちゃうわアホ!」

高倉「誤解しないでください。私はあなた方と争うつもりはないんです」

遠藤「? どういうことですか?」

高倉「ですから、浜田さんのおっしゃるように、然るべき場所で裁きを受けるつもりだということです」





145: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:38:19.17 ID:bzeTjh4C0

山崎「ほ、ほんまですか?」

高倉「…………私は今でも、キメラアントを利用して、NGLのドラッグ工場を潰し、その当事者達を殺したことを、間違っていたとは思いません。
しかし同時に、関係のない多くの人をも死に追いやったことが、許されるとも思っていません」

浜田「…………」

高倉「ですから、ひとつ、約束させてください」

山崎「約束?」

高倉「DDの製造工場は、人が姿を消しただけで、いまだNGLにそのまま残されています。その工場を破壊させていただきたいんです。その後は、ハンター協会本部に出頭し、国際司法の場に出る、という約束です。いかがですか?」

田中「確かに、このままやったら、ほかの人が嗅ぎつけて作る人が代わるだけで、DDは作られ続けることになりますもんね」

山崎「……そら、俺らだってこの業界のクスリとの繋がりは、やっぱり嫌やしなぁ」

遠藤「…………浜田さん……」

浜田「……あんたの人となりは俺はようわからん。だから約束する言われても、はいそーですか、っちゅうわけにはいかん……工場とハンター協会まで一緒に行かせてもらうで」

高倉「願ってもないことですよ。ありがとう。……よろしければ少し手伝ってくれませんか? ひとりで何十個も爆弾をしかけるのは、骨が折れるのでね」

遠藤「それはもちろん! ねぇ? 浜田さん」





146: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:39:36.27 ID:bzeTjh4C0

浜田「……まぁ……そらなぁ」

高倉「…………感謝致します……DDを潰すために、ローラの占いを使いすぎましたからね……いつ支払うことになるとも知れない代償を支払う前に事を済ませたいので……」

松本「……高倉さん、あんたほんまにこの業界が好きなんですね……自分を犠牲にしてまで……」

高倉「多くの人を犠牲にしたんです。私がその人達に、何の断りもなく、ね…………美談にはなりませんよ」

山崎「まぁでもとにかく! さっさと行きましょう! 高倉さん達が乗ってきた飛行船、使えるんでしょ?」

松本「いや、その飛行船も飛行船を動かしてるスタッフも、ハンター協会のもんやろ? こっからNGLのDD工場に飛ぶなんて勝手な動きできへんのちゃうか?」

高倉「……ええ、飛行船のスタッフも、医療班も、実はプロハンターです。しかし、同時に私を慕ってくれる後輩の役者たちなんですよ。DDを潰すことにも賛同してくれています」

浜田「多少の無理はきくっちゅうわけか。ほんなら、このままみんなでNGL行きやな」

高倉「……かけがえのない同志達です。中にはDD中毒から立ち直った者もいます。だからこそ、DDは……絶対に許せない」

(ドォォォォォォンッッ!!!)

高倉「!?」

遠藤「え!? 何!? ば、爆発!?」

山崎「あっちの方ですよ!」

高倉「あの方角……ま、まさか……飛行船が!?」





147: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:41:27.41 ID:bzeTjh4C0

(ボォォォォォォン…………メラメラメラ)

山崎「ば、爆発した……燃えてますよ……」

高倉「な…………んで……飛行船が爆発を……?」

田中「ま、松本さん……もしかして、これって……」

松本「…………代償、やろうな……占いの」

高倉「こ…………んな……中の…………彼らは?…………」

浜田「……なんでやねん! あとちょっとやったんちゃうんか!?」

遠藤「ここで、こんな終わり方したら……ほんまに、何のために」

山崎「そうですよ! マツコさんや藤原さんも飛行船の中におったんでしょ!?なんでこのタイミン……!? まさか」

田中「え? まさかって……まさか!?」

松本「あぁ…………お前やな?」





148: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:42:30.19 ID:bzeTjh4C0

ローラ「…………ウフフフッ☆」

遠藤「!?」

松本「…………知らんかったわ……占いの代償を払わせるタイミングは、自由に操作できるんやな」

高倉「…………ぅ…………ぁぅ…………」

田中「た、高倉さん……」

ローラ「ウフフッ☆」

山崎「おい! こんな代償ひどいやろ!」

ローラ「え!? 違うよー! どんな代償かはローラが選んでるんじゃないの☆ただ、今NGLに行かれたくないなぁって思ったから、支払いを今にしたんだよっ☆飛行船が爆発したのはぁ、た☆ま☆た☆ま☆」

浜田「……なんやその、今NGLに行かれたくないっちゅうのは」

ローラ「ウフフッ☆それはね、これのことだよ☆」

山崎「?」

ローラ「ローラね……ウフフッ☆これだーい好きなんだぁ☆…………(スッ)」

田中「『これ』?……って、それは!? まさか!」





149: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:43:42.54 ID:bzeTjh4C0

ローラ「ウフフッ……そう……ハァ……これぇ…………(ゴクンッ)ッハァ……このおクスリ……」

遠藤「!? ちょっと!」

浜田「…………お前…………DD中毒者か」

ローラ「これがないとねぇ……ハァ……ローラ……生きていけらいのぉ……すっごく☆きもひいいんだよぉ……」

田中「え、でも、待ってくださいよ! ローラがDD中毒なんやったら、なんで高倉さんに協力してたんすか? 高倉さんがDDを作ってるNGLを潰したいのは知ってたでしょ?」

ローラ「それはねぇ……DDってね……すごぉく高いのぉ……私も貧乏じゃなひんだけどぉ……たくさん買えらいのぉ……だからぁ……」

松本「自分で作れたら……か?」

遠藤「!?」

ローラ「ウフフッ☆正解☆」





150: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:44:58.11 ID:bzeTjh4C0

山崎「え? どういうことですか? 自分で作るって」

松本「……そのまんまや。工場を奪って、自分で作るつもりなんや」

ローラ「そーなのっ☆工場の近くにね、ビラ畑があるの、DDはそれで作るんだよっ☆」

浜田「キメラアントは人間やないからな、DDなんて人間向けに作られた麻薬を欲しがるわけない……DDを作ってるNGLをキメラアントが潰せば、その後はほとぼりが冷めるの待って工場を自分のもんにしようっちゅう腹か……」

遠藤「NGLに行かれたら困るっちゅうんはそういうことっすね……
工場を爆破なんかされたら、パーやもんな」

ローラ「ウフフッ☆そういうことっ☆」

浜田「あんなぁ……そんなうまく行くわけないやろ。クスリなんちゅうもんはヤーさんが食いもんにしとるんやで。買い手が付いてるクスリの工場が、人だけ消えてそのまま残っててみいや? お前なんかが使えるわけないやろ」

山崎「ものすごい説得力ですね」

松本「プロとして手の内見せすぎちゃうか?」

浜田「うるさいわ! ちょお! ほんまなぁ! 真面目な話してるときはやめぇや!」





151: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:45:44.44 ID:bzeTjh4C0

遠藤「でもほんま、浜田さんの言う通りですよね。すぐにその筋の人に工場乗っ取られますよ」

ローラ「ウフフッ☆だいじょ~ぶっ☆私の占いは完璧なのぉ☆このたぁくさんの木を見てよ☆」

松本「……?」

山崎「木って、この……繭と人肉団子かいな」

田中「……確か、キメラアントの護衛軍が東ゴルトーの国民で作った兵隊が、まだ繭の状態で眠ってるんすよね。人肉団子は王とその兵隊の食糧でしたよね」

ローラ「そーだよ☆5000人の念を使える兵隊と、その食糧の人肉団子っ☆」

浜田「それがどないしたんや?」





152: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:47:13.10 ID:bzeTjh4C0

ローラ「守ってもらえるじゃん☆DDの工場っ☆念を使える上に、生物的に改造された兵隊5000人だよぉ?」

山崎「いやいや、そんな、ローラの言うこと聞いてくれるとは限ら」

ローラ「だからぁ☆エサの肉団子にDD混ぜちゃえばいいじゃん☆NGLの工場から、在庫とレシピは持ってきてるもん☆ここにもほら(ゴソゴソ)じゃーん!(バッ)こぉんなに☆」

浜田「…………繭からかえってすぐ、クスリ漬けにするんか?」

ローラ「…………ウフフッ☆この子達はキメラアントじゃなくて、元々は人間だもんね☆DD大好きになってくれると思うよ☆」

松本「DD中毒にした兵隊に工場を
守らせるんか。レシピはお前だけが知っとったら、誰もお前を殺そうとはせえへんもんな。お前がおらんかったらDD作られへんわけやから」

ローラ「ねっ? すごいでしょ? ローラの計画☆」

遠藤「ちょっと、凄すぎますよ……」

松本「……ちょっとええか?」

浜田「?」





153: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:48:32.21 ID:bzeTjh4C0

松本「ローラ、お前嘘ついてるやろ?」

山崎「?」

ローラ「…………☆」

松本「お前さっき、自分の占いは完璧って言ったよな? だから工場を独占する為の兵隊も手に入ってるって」

ローラ「ひっどーい! 嘘じゃないよー☆」

松本「あぁ、それは嘘やないと思うわ。キメラアントの兵隊と食糧を、工場を守る為に準備するなんて、占いなしで思いつくわけないもんな」

ローラ「…………☆」

松本「でも、それは『DDを独占して作る為にはどうしたらいいか』っちゅう占いの結果として出てくるはずや。
高倉さんの希望である『DDを潰す為にどうしたらいいか』っちゅう占いでは、工場を守る兵隊のことなんて教えてくれるわけないよな?」

田中「…………!? え! でも、ローラの能力は……『片手で輪を作ってそこから相手を凝で見ると、相手が欲しがっているものを手に入れるためのキーワードを教えてくれる』って占いでしょ?
高倉さんの希望は、DDを潰すことであって、DDを作るってことじゃないでしょ!?」

松本「そうや、だから……こいつは最初っから高倉さんを占ってない。全部……自分を占ってたんや」

遠藤「え!? ちょっと待って下さいよ! 高倉さんは、ローラに占ってもらって、女王蟻が漂流してるのを知ったんじゃないんですか!?」





154: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:49:28.46 ID:bzeTjh4C0

松本「ローラは自分を占ったんや。『DDを独占する為にどうしたらいいか』っちゅう占いの結果として、『高倉健をNGL沖の海に連れていけ』っちゅうのが返って来た。そうやろ?」

ローラ「…………☆」

松本「そこから、全てが始まったんや」

田中「ほんなら……高倉さんは……」

松本「あぁ、高倉さんは全部自分で思いついて、自分の意志で事を運んだつもりやけど、最初っから全部ローラの手のひらの上で転がされとったんや」

高倉「!? ……な…………なん…………だと?」

松本「高倉さん、あんた騙されてたんですよ……こいつは最初っからあんたのこと占ってない……」

田中「え!? でも、ローラの『天然な小生意気』って、指で輪を作って……そこから凝で相手を見ることで占うんすよね?」

松本「あぁ、だから、高倉さんを占うふりして、自分を占ってたんや……あの鏡張りの本部の部屋でな。あの部屋は、ローラの希望で作ったって言ってましたよね?」

高倉「……た、確かにそうだが……私を……占っているように見せて…………鏡で自分を……?」

浜田「東ゴルトー臨時支部の中の、あのラブホみたいな全面鏡張りの部屋……そういう意味があったんやな」

山崎「ほんなら……高倉さんは一回も占われてないってことですか? あの飛行船の爆発も……占いの代償じゃないってことは……」

松本「あぁ、飛行船の爆破は、占いの代償ちゃうよな? …………お前が爆破したんやろ?」





155: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:50:20.23 ID:bzeTjh4C0

ローラ「…………ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ
フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフッ☆」

高倉「…………お…………お前が…………彼らを殺した…………」

ローラ「バレちゃったかぁ☆占いの代償ってことにしときたかったんだけどね~☆」

高倉「…………お前が……」

ローラ「グラチャン☆DD工場を爆破するために爆薬積むのはいいけどね~、爆薬の管理がずさんすぎるよ☆船の中の人も警戒心なさすぎるしね~☆」

高倉「ぐっ…………ローラ…………ロォーラァァァァァァァァァァー!」

遠藤「くっ……松本さんが最初っからローラの近くにおったら、お前の狙いなんか全部見抜けてたのに!」

ローラ「ん? それは違うよ☆さっき松本さんが言ったことにも間違いがあるもん」

松本「? 間違い?」

ローラ「そ☆間違い☆ローラはね、ずっと『DDを独占する為にどうしたらいいか』なんて占ってないの☆」

浜田「……」

ローラ「ただ、『ローラが今よりもっと幸せになる為にはどうしたらいいか』って占ったんだよ☆」

遠藤「今より……幸せに?」

ローラ「そ☆最初は、未来の旦那様のこととか出て来たらいいなぁ☆って思ったんだけどね~☆そ
したら『グラチャン連れて海に行け』とか出て、連れて行ったらグラチャンはDD潰そうとするから、ローラ幸せ計画を途中からDD独占計画に変更しちゃったんだっ☆」

高倉「ぐっ…………お前だけは……お前だけはぁぁぁぁぁ!!」





156: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:52:51.00 ID:bzeTjh4C0

ローラ「ん? どーするの?☆殺す? でもね、それはできないよ☆」

高倉「いや……お前だけは殺す……何を犠牲にしても……何もかもを捨ててもだ」

遠藤「高倉さん! 殺しはダメですよ!」

田中「そうですよ! あなたが殺人で捕まることは、殺された人たちも望んでませんよ!」

ローラ「? 違うよ☆私を殺すことができないっていうのはね、道義上とか、そういうことじゃないのっ☆」

山崎「!? み、見てください! あれ! 卵が!」

(ズルッ……ズルッ……………………ドチャッ)

田中「卵から……どんどん孵ってる……! 兵隊が!」

(ドチャッ…………ドチャッ…………ドチャッ…………ズルッ……ズルズルッ……)

ローラ「ウフフッ☆(バッ)」

兵「(ゴクンッ)」

田中「? 兵の口に投げ入れた!」

浜田「! DD飲ませたんか!?」

山崎「! じ、じゃあ、あいつら、クスリ漬けの操り人形に?」

ローラ「そうだよ~☆何怒ってるの? 兵隊じゃん☆しかも生物的に改造されてるんだよ? 一回死んでるような人たちじゃん☆薬物中毒にしたって平気でしょ☆」





157: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:54:16.01 ID:bzeTjh4C0

兵「ぐ……ぐぅぅ……」

ローラ「ほぉぉら☆ねぇぇ☆気持ちいいでしょぉ?(ナデナデ)」

兵「うっ……うぅ……ふぅぅぅ……ふぅぅ……ふぅっ」

ローラ「ウフフッ☆ローラの言うこと、ちゃぁんと聞けたらぁ……もっとあげるよぉ☆(ナデナデ)」

兵「ふぅっ……ふぅっ………………えふっ……えふっ………………く……れる?」

ローラ「うんっ☆……あ☆げ☆る☆」

遠藤「……ほんまに、クスリで手なずけてもうた」

ローラ「ウフフッ☆ローラのことを殺せないっていうのはぁ、道義上ってことじゃなくてぇ……この子たちに勝てないでしょ?ってことなのっ☆」

浜田「改造はされても、元は人間やぞ……しかも、なんとか選別を生き残ることができて」

ローラ「ん~、難しいことわかんないっ☆ローラの手持ちと、そっちの手持ち……どっちが勝つかじゃダメなの?」

(ドスッ)





158: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:55:18.29 ID:bzeTjh4C0

兵「ぐふっ……(バタッ)」

山崎「え? け、 煙でできた、槍?」

モラウ「どっちが勝つか、か……それで構わねえよ、ローラ」

田中「! モラウさん! 高倉さんに気絶させられてたのに、動けるんすか?」

モラウ「……体はろくに動かねえが、煙なら操れるぜ」

ローラ「…………☆」

浜田「……モラウさん……あの兵隊、殺したんか?」

モラウ「……浜田さん、兵隊として改造されちまった奴らは、元には戻せねえ……あの女の言いなりになっちまった奴は……殺らなきゃこっちが殺られるんだ……気持ちは分かるが、割り切った方がいいぜ」

ローラ「はいはーい☆1匹殺されたくらい気にしないっ☆どんどん食べてねー☆(ババババババババッ)」

兵「(ゴクンッ)」

兵「(ゴクンッ)」

兵「(ゴクンッ)」





159: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:56:52.87 ID:bzeTjh4C0

山崎「おい! どんどん増えてるで!」

ローラ「さっ☆それじゃあ今のローラの手持ちは、っと……にぃ、しぃ、ろぉ、ら☆8匹かぁ……ん~、なかなかすぐには生まれないかぁ☆これで第一陣ってとこかな?」

田中「……クスリの中毒で洗脳された上に、念が使える改造人間が8体……こっちは、高倉さんと、煙以外は動かせないモラウさんを入れても7人」

松本「いや、俺は外せよ、能力が戦闘向きとちゃうねんから」

山崎「いや、お願いしますよ!」

遠藤「一番戦力として頼もしいのは、浜田さんか」

田中「改造されてるとは言え、キメラアントではないわけやからなぁ……銃で正確に頭を撃ち抜けば死んでくれるやろな」

松本「ほんなら、田中がオーラになって敵の動き止めて、浜田が頭を撃ち抜くっちゅう感じか」





160: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 16:58:57.92 ID:bzeTjh4C0

田中「え! いや、オーラで動き止めるのはいいんですけど、止めるためには全オーラ必要ですから、1体しか止められませんよ!」

遠藤「ほ、ほんなら、僕らはどうしましょ? 田中が足止めできへん奴の対応ってことですよね?」

松本「うん、まぁ怪我せんように逃げるしかないやろ」

ローラ「それじゃ☆殺っちゃって~☆」

兵「ううぅぅぅ…………ぅ……ぅ……ぅぐるぁぁぁぁぁぁ!(ダンッ!)」

田中「き、来ましたよ!」

……………………

ローラ「すっごぉぉぉいっ☆頑張ったねぇ! 8匹全部殺しちゃったんだぁ!」

遠藤「つっ…………ったぁぁ……」

モラウ「ぐっ……」

高倉「……うぅ…………」

ローラ「でも皆もすごぉく、しんどそうだねぇー☆誰も立てる人いないのぉ?☆」

浜田「ったたた……8体同時とか……反則やろ……」

松本「ったぁぁ……俺は数に入れるな言うたやろ……」

ローラ「ウフフッ☆でも見てぇ☆まだまだ☆どんどん☆生まれてきちゃうよぉ☆ほら、もうすぐ次の1匹が☆」

田中「……こ、これ……勝てませんて……」

ローラ「ウフフッ☆そ☆あなたたちじゃ勝てないよぉ☆」





162: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:08:17.46 ID:bzeTjh4C0

ローラ「やっぱりね、人間、欲望に素直にならなきゃ☆」

浜田「調子乗んなよ……お前ひとりでできることなんて、大したことないやろ……」

ローラ「ん~? じゃああなたたちは力を合わせて何ができるの? ローラに勝てないよぉ? ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフッ☆」

遠藤「ま、松本さん、これ、どうしましょ?」

ローラ「諦めたら? ウフフッ☆ぜ~んぶ私の占い通りに進んじゃうんだよ? あなたたちがどう頑張っても、私が幸せになっちゃうの☆」

高倉「……ふざけるな……『幸せになる方法を占っていた』だと? 周りの全てを踏み台にすることしか考えないお前が……幸せになれるはずがない!」

モラウ「ぐっ……あぁ、その通りだ……ローラ、お前にも会長の教えを伝えてやりたかったぜ」

田中「会長の……教え?」

モラウ「あぁ、会長が到達した武の極みは……感謝だった……身の回りの、人、生き物、自然……自分を育ててくれた全てのものに、まず感謝を」

ローラ「…………☆」

松本「…………(ヒソヒソ)おい」

山崎「?」





163: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:10:12.07 ID:bzeTjh4C0

モラウ「会長が作った流派、心源流って名前も、『まず源に感謝の心ありき』って考えから来てるんだ……会長の勝負服、心Tシャツだってそうだ」

ローラ「…………☆」

高倉「……まさしく今のお前に欠落しているものだな」

ローラ「…………☆」

モラウ「他人の命まで踏み台にして、てめえひとりで事を運んでるようなツラしてるバカ女には……一生到達できねえ次元だろうがな!」

松本「(ヒソヒソ)山ちゃん、右手で田中を触れ……浜田、銃と弾一発だけでいいから具現化しといてくれ、ほんで、俺と浜田で山ちゃんの左手触るぞ! 遠藤、お前は田中の後にすぐ山ちゃんの右手触れ」

田中「(ヒソヒソ)え? ど、どうするんすか?」

松本「(ヒソヒソ)ええから言う通りにせえ! 会長さんの教えで、ええこと思いついたわ……俺らも、自分らだけで戦おうとしとったな……」

遠藤「?」





164: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:11:26.63 ID:bzeTjh4C0

ローラ「感謝? してるよぉ~☆まだまだ生まれてくるこの子たちのおかげで、ローラすごく幸せになれるんだもん☆ありがとう☆でも早く次の子、生まれて来てね☆この人たちにトドメ刺せないから☆」

高倉「くっ……」

浜田「(ズズズッ……)(ヒソヒソ)具現化はできたけど、弾は一発だけでええんか? 狙ったところを撃つんは難しいねんで。もっと要るんちゃうか?」

松本「(ヒソヒソ)いや、できるだけオーラは温存しといてくれ。そもそも、狙ったところを撃つ必要なんかないねんからな」

浜田「?」

松本「準備ええか!? やるぞ!」

ローラ「!?☆」

松本「山ちゃん! 俺と浜田のオーラ全部持ってけ!」

山崎「!? は、はい!(ズオッ!)すご、めっちゃ来た!」

松本「うっ……はぁ……ほんなら、山ちゃん、3人分のオーラ、ちょっとだけ残して、田中に渡してくれ!」

山崎「はい!(ズオッ!)」

松本「田中! ユピーんときと一緒や! オーラになってできるだけたくさん酸素掴んで一番手前の木に張り付け!」

田中「は、はい!(ボヒュゥゥンッ!)」





165: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:16:06.30 ID:bzeTjh4C0

ローラ「ウフフッ☆なぁんだ☆何をするかと思えば、とっても簡単な作戦なんだね☆」

浜田「お、おい! ばれてるんちゃうか!?」

松本「ばれててもやるしかないねん! 田中は木に張り付いたころやな……浜田! 安全装置外して銃を一番手前の木に投げてくれ!」

浜田「お、おう!(ブンッ!)」

ローラ「ウフフッ☆そうだよねぇ~、やっぱり木を全部燃やす作戦に出るしかないよねぇ☆田中さんにオーラを託してぇ☆酸素をできるだけたくさん掴ませておいてぇ☆
浜田さんの銃を暴発させて火を付けるんだよねぇ☆でもね……それじゃあね」

(ガンッ……パァァァンッ……ドォォォォォォォォォォォンッ!)

浜田「おっしゃ! 燃えた!」

遠藤「で、でも……」

ローラ「すごぉぉぉぉい! きれーい☆1本だけでも燃えたらこんなに明るくなるんだね☆」

山崎「ま、松本さん、1本燃やすんが限界ですよ」

ローラ「そ☆兵隊の卵の木は全部で10本☆残りは9本☆全然足りないよぉ☆」

松本「ボケッとすんな山ちゃん! さっさと残りのオーラ全部、遠藤に渡せ!」

ローラ「!?」





166: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:18:30.97 ID:bzeTjh4C0

ローラ「まさか!?」

山崎「(ズオッ!)」

遠藤「(ズオッ!)来たぁ! (ムクッ)ここまで来たら僕でも分かります!」

松本「…………風は必ず吹く」

遠藤「サンバのリズムを……」

ローラ「ダメ!」

遠藤「知ってるかい……」

ローラ「ダ……ダメ!」

遠藤「ホッホォォォイ!」

ローラ「ダメェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!」

(ゴォォォォォォォォォォォォッ!)





167: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:19:59.90 ID:bzeTjh4C0

遠藤「ホホホォォイ♪ホホホォォイ♪ホホホォイホォイ♪」

(ゴォォォォォォォォォォォォッ!)

浜田「気流の操作か……すっごい風やな……火がどんどん燃え移って……」

(ボォォォォォォォォォォォォォォォォ……)

ローラ「う…………そ………(ペタンッ)…………なにこれ…………」

松本「すごいな、兵隊の卵の木だけじゃなくて……肉団子の木の方も……火も風も、自然の力っちゅうのは偉大やなぁ? ローラ」

ローラ「いや…………いや…………いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

浜田「……諦めろ。お前の負けや。俺らに負けたんちゃうで……俺らの周りの、自然の力に負けたんや……俺らだけでは勝たれへんかったからな」

田中「(シュゥゥゥゥゥンッ)作戦成功ですね!」

山崎「おぉ! 田中! 無事やったか!」

ローラ「やだっ! 燃えちゃう! 燃え…………やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」





168: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:23:06.57 ID:bzeTjh4C0

田中「ローラ……」

ローラ「いや……いや嫌……いやイヤ嫌嫌イヤイヤイヤいやいや嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌
嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌いやいやいやいやいやいやいやいや嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌」

山崎「取り乱すんも無理ないで……ここまで用意周到に事を運んできたんやからな……NGLや飛行船の中におった、何人もの人を犠牲にして」

ローラ「嫌嫌嫌嫌ぁ…………い、いやぁ…………あぁ…………だ…………だぁ……」

遠藤「!?」

ローラ「だぁーだぁ……ぶぶぅ…………だぁ……キャッキャッ☆」

遠藤「え!? これ……」

ローラ「だぁだぁ! ぶぅ…………キャッキャッ☆ぶぅぶぅ☆」

モラウ「……幼児退行か」

田中「えーと、それって確か……」

高倉「……精神が幼児のレベルまで戻ってしまったんです……過度な精神負荷とその現実から逃避したい、という気持ちから……心を壊してしまうことで、心を守ろうとしたんです。
人間の防衛本能とでも言うべきものですね」

遠藤「松本さん……このタイミングでこんなことになるっていうのは、もしかして……」

松本「あぁ、自分を占い続けた代償かも知らんな……」

ローラ「だぁぁーぅ! ぶぶぅー!」

田中「……いったい、何回自分のことを占えば、こうなるんですかね?」

浜田「占いに頼りすぎるのも、やっぱりあかんねんなぁ」

モラウ「…………いや……もしかしたら、こうなることが、ローラの占いの本来の結果なのかも知れんぜ」





169: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:25:41.93 ID:bzeTjh4C0

田中「? どういうことですか?」

高倉「……すでに話でも出たように、ローラの計画を阻止した皆さんをこの場に連れてきたのも、ローラの占いなんですよ……本部の鏡張りの部屋で、私を占う振りをして、自分を占っていたわけですが」

遠藤「あ、それモラウさんが前に言ってましたね。僕らが選ばれたのもローラの占いの結果やって」

高倉「『ガキのメンバーに念能力を持たせて東ゴルトーに』と出たそうです」

田中「ていうことは、ここまで全部、キメラアントを全滅させたのも、ローラのDD独占計画を阻止したのも、ローラの占いの結果ってことですか?」

松本「……ローラが自分で占った内容は『今よりもっと幸せになるにはどうしたらいいか』ってことやったな……」

ローラ「キャッキャッ☆」

浜田「もしかしたら、これが……DDの呪縛から解放されることが、ローラにとっての幸せやったんかも知らんな……」

田中「ローラは占いの結果から、DDを独占する為に動いていたつもりやったけど、ローラの占いは、実際はその逆を占ってたってわけですか……」

モラウ「……占いの代償か……はたまた本意か……本当のところは、分からんがね……」





170: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:26:47.86 ID:bzeTjh4C0

(メラメラ…………)

ローラ「だぁだぁ☆」

山崎「ローラの計画は阻止して、DDも潰して、キメラアントも討伐できた……これで、ほんまに任務終了……ですかね?」

浜田「まぁ、任務は終了やけど……」

松本「……手放しでは喜ばれへんなぁ……」

高倉「くっ…………たくさんの後輩たちが……飛行船の爆発で……」

浜田「藤原とマツコさんもなぁ」

高倉「どうしたって……彼らは戻らない」

マツコ「えー、で、終わったの?」

遠藤「マ、マツコさん!?」

藤原「お前らようやったな。これで任務終了や」

田中「あ、あれ!? 藤原さんも?
無事やったんすか?」

高倉「!? あなたは……確か……飛行船の中にいたんじゃ?」

マツコ「そうよ、飛行船の中にいたのは私だけじゃないけどね」

高倉「?」

(ダダダダダッ)

後輩1「高倉さぁぁぁん!」

後輩2「大丈夫ですかぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

高倉「!? お、お前たち……どうして?」





171: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:28:05.83 ID:bzeTjh4C0

高倉「無事だったのか!? いや、しかし飛行船は……爆発したんじゃ」

マツコ「見てたみたいね。ええ、爆発はしたわよ」

遠藤「え? いや、ほんならどうして?」

マツコ「簡単な話よ。爆発の直前に飛行船から出たのよ。船内にいた人間、ひとり残らず、全員ね」

後輩3「マツコさんが、僕たちを連れ出してくれたんです」

後輩4「そして、飛行船から離れるとすぐに爆発して……」

田中「そ、それって、ローラの計画をマツコさんが知ってたってことですか!?」

山崎「なんで知ってたんですか?」

マツコ「いや、知らなかったわよ? ただあの女が妙な企みをしてたのは分かってたってだけよ」

浜田「分かってたて、なんでやねんな?」

マツコ「女の勘よ」

デデーン! 『田中 アウトー!』

田中「……今さらこんなんで笑いたくなかったわ……イッタ!」

松本「ローラが何となく怪しかったからさり気なく探ってたら、飛行船の爆破を計画してたって分かったってことか?」

マツコ「ま、爆破計画を知ったのはたまたまよ。たまたま時限爆弾の起爆装置を見つけることができたわけ」

山崎「たまたまって……起爆装置なんて、そんなたまたま見つかるような場所に置いとかんでしょ」

浜田「そらなぁ、見つかったら台無しやし」

松本「実際、全員生き残っとるわけやしなぁ」

マツコ「あの女、他は男ばっかりだと思って油断してたのよ……起爆装置、どこに隠してあったと思う?」

山崎「?」





172: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:29:56.84 ID:bzeTjh4C0

マツコ「トイレの個室のコーナーの、ボックスの中よ……女以外は絶対に開けないところよね」

浜田「…………」

遠藤「…………」

デデーン! 『浜田 アウトー!』

浜田「ちょお! ほんまさぁ! もう終わりやろ!? やめようや! いったいのぉ! 硬使うなや!」

高倉「…………浜田さんのおっしゃるように、本当に、ようやく終わったんですね」

遠藤「うわぁぁ~……めっちゃ嬉しい!」

山崎「でも、高倉さん……NGLのDD工場はどうするんですか?」

田中「そうですよね、そこを爆破するための爆薬は、ローラが飛行船の爆破で使ってもうてるから、もう残ってないですもんね」

松本「ていうか、俺らもこのままやったら帰られへんやんけ」

浜田「飛行船もないしなぁ」





173: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:32:12.86 ID:bzeTjh4C0

マツコ「あ、飛行船ならハンター協会に連絡しといたわよ」

浜田「マジで!?」

遠藤「そっか、マツコさんもプロハンターでしたもんね」

モラウ「ありがたいね……そろそろここを離れないと、『薔薇』の毒が届いちまうからな……」

マツコ「そうそう、ついでに爆薬も、キメラアントの卵を焼き払うためって言っといたら、結構な量を積み込んでくれたらしいわよ」

高倉「!?」

マツコ「卵は全部焼けちゃったけど、まぁそんなの協会が知るわけじゃないし、私も爆薬の使い道なんて知ったこっちゃないわ」

高倉「マツコさん……」

マツコ「……これでいいんでしょ?」

高倉「……恩に着ます」

マツコ「べべ別にあんたのためじゃないわよ。まぁ飛行船もそろそろ着く頃じゃないかしら?」





174: ◆TCFkbJoJoI :2012/10/27(土) 17:33:40.69 ID:bzeTjh4C0

松本「あぁぁ~……やっと終わりかぁ! もう変な笑い入れんなよ」

山崎「長かったですもんねぇ!」

ローラ「アーイ! アイアーイ! キャッキャッ☆」

浜田「? なんやローラ? なんかあんのかいな?」

山崎「あ! あれちゃいますか!?」

遠藤「!? あ! ほんまや! 飛行船ですよ!」

松本「おお、ほんまや……やっと帰れるんかいな……!?」

田中「フハハハハwww」

浜田「ンナハハハハ!wwwwww」

デデーン! 『全員 アウトー!』

藤原「どうや、かっこええやろ。あれがハンター協会所有の特別飛行船、通称、黒光りガースー」

松本「もうええ言うてるやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」




おわり





178:名も無き被検体774号+:2012/10/27(土) 18:56:52.19 ID:8V5L21gvO

設定もいいし楽しかった!
乙乙ー!





181:名も無き被検体774号+:2012/10/27(土) 20:40:30.91 ID:J0b6Ws2H0

面白かった
お疲れ様





182:名も無き被検体774号+:2012/10/27(土) 20:54:17.89 ID:p5zPkSW00

オモロかったで


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